内容
今週の「仰天ニュース」は『眠りの不思議スペシャル!』
○不眠症に悩まされるお父さん。その症状はひどくなる一方・・・。
それは、世界でも稀な命をも脅かす恐ろしい病気だった。
1999年アメリカ・ミズーリ州セントルイス。この町に母子二人で暮らすクリス(21歳)と母。そこに病院から、亡き父の姉、叔母のバーバラが熱と呼吸障害で入院したとの報せが。駆けつけると従兄弟のシェリルとキャロラインがいた。二人に話を聞くと、一年程前から不眠症のような症状が現れ体調が悪くなり、記憶障害、言語障害などが見られるようになったという。一週間後、52歳のバーバラは息を引き取った。実はこの症状は亡き父と同じ症状だった。7年前の1992年。14歳のクリスは父親ロジャー、母と3人の姉(3女=トレーシー)との幸せな生活を送っていた。父は設計技師として忙しい日々。疲れることもあったがここ最近はなかなか寝付けず顔色も優れない。同僚のアドバイスで寝る前に運動をしてみるも全く眠れない。病院での診断はストレスが原因と睡眠薬を渡された。その夜もなかなか寝付けずにいたが、様子を見に来た家族は眠っている父を見て安堵する。しかし翌朝、父は全く寝た気がしないという。職場でも頭が働かない。その後も症状は悪化し、動悸、頻脈、冷や汗が現れた。様々な病院を回るが原因は分からないまま。その後も痩せ細っていき、自分で食べ物を取ることすら出来ず、歩行も困難に。会社を辞めざるを得なくなり喋る事も難しい。次第に全ての事が全くできなくなり意思も伝えられない為、苛立っているように見える。母は看護師として家計を支え、家事などは子供達4人で分担。最初に症状が出てから一年半が経過した1992年1月。父は49歳でこの世を去った。死因を特定する為、解剖すると脳に問題があることが判明。視床という部分が通常より小さくなっていたのだ。視床とは感覚情報を伝える働きをもつ部分。父がなぜ罹ってしまったのかは不明だったが、それから7年経って起きた叔母の死により父の死の謎が解明される。クリスと母は死因解明の為、司法解剖を依頼。叔母の死因が分かれば父の死因も解明されるかもしれないと思った。実は母は夫の死因にどうしても納得出来ず、将来死因解明の手掛かりにと、父の脳のサンプルを病院に依頼して保管してもらっていたのだ。死因解明の為の担当医師は、世界的権威のガンベッティ医師。調べた結果、二人は同じ病で、致死性家族性不眠症だという。これは通称FFI。人間は睡眠によって脳や体の疲れを解消したり、機能を回復したりするが、それが出来ない事で体は常に疲れたまま。やがて意識を失い死んでしまう病気。FFIは遺伝子の突然変異により脳の視床に異常なタンパク(プリオンタンパク)が蓄積し脳神経細胞を破壊する。視床は睡眠にとって信号機のような役割をしていて通常、眠る際、信号が青の時、脳幹から大脳皮質に「寝ろ」という命令が行き、人間は眠る。しかしFFIの患者は、信号の役目をする視床が破壊された事で信号が赤のままとなり、大脳皮質に指令が行かず、起きたままとなる。FFIの患者は眠ってもいないし、起きてもいない。その狭間にいる奇妙な状態だという。発症したロジャーに寝ているような行動はあったが、それは睡眠ではなく、睡眠への入り口前を彷徨っている状態だった。患者たちの前で手を揺らすと目はその動きを追うが、脳は見ているモノを理解する事が出来ない。遺伝性の為、世界で数10家の家系で発見されており、日本にも数家系報告されている。有効な治療法はなく発症すれば死に至る。クリスにも姉妹にも家族全員に遺伝の可能性が50%あったが、結果を知るのが怖く、その場で調べる者はいなかった。クリスは弁護士となり彼女もできた。将来家族を持つ話となると頭にFFIが浮かんできてしまう。遂に2008年クリスはガンベッティ医師の元を訪れ遺伝子検査を頼む。家族6人の中で誰よりも早く結果を知ることに。数か月後、クリスの元に検査結果が。仰天スタッフが彼の元を訪ねると、結果は陰性。FFIの遺伝子を受け継いでいなかった。2人の姉と従兄弟のシェリルはまだ検査を受けておらず分からないが、1人の姉と従兄弟のキャロリンは検査を受け、2人とも陰性だったという。
○優しいお父さんが逮捕。しかし、そこには睡眠中の不可解な行動が関係していた
2010年春。アメリカである夫婦がテレビ番組に出演した。実際のニュース映像もある。二人は突然、別居を余儀なくされた。その理由とは。2010年アメリカ・オレゴン州カイザー。息子たち(8歳と5歳)と遊ぶ父、アダム・カーンズ(31)。結婚して10年になる妻ランディと、三男(2歳)、妻の両親と同居。幸せな生活の中、アダムには一つだけ妻に言えない秘密があった。州の福祉課でコンピューター技師として働くアダム。職場に届いていたのは、借金の請求書。自分を頼りにしてくれる妻には、借金のことは内緒だった。あの日の夜、妻に頼まれ、次男のアイザックを寝かしつけた時のこと。息子が息をしていないことに気付く。確かめると再び寝息。心配になり妻に相談すると以前にも同じような症状があったという。病院で診察を受けると、睡眠時無呼吸症候群と判明。子供の場合、主にアデノイドや口蓋扁桃肥大などによって睡眠中に気道が塞がることで起こりやすくなる。酸素不足で脳が十分休む事が出来ず、日中の集中力が欠ける・多動になるなどの危険性も。深い眠りの間に分泌される成長ホルモンが少なくなり、体の発育にも遅れが出る事がある。アイザックは扁桃腺とアデノイドの除去手術を受けることに。医療費はかさむ一方だった。アダムは眠れない日々が続いた。借金は12、000ドル(当時約133万円)にもなり、仕事でも集中力に欠ける。そんなある朝、ランディが笑って昨晩アダムが夜中に起こした行動を話してみせた。アダムは真夜中に寝室でシリアルの入ったボウルを抱え、それをむしゃむしゃ食べ始めたという。しかしアダムにはその記憶がない。これはある症状の前触れだった。2010年2月20日。午前2時。夫婦は眠りにつく。2時間後の午前4時。アイザックが泣きながら夫婦の寝室に駆け込んでくる。するとアダムは勢いよく起き上がり膝立ちでランディの顔面を一発殴る。目が据わったままもう一発。必死にでアダムの体にしがみつき制止しようとするが更に一発。そして何もなかったかのようにいびきをかいて眠った。ランディは救急車を呼んだ。その時の実際の音声がある。駆けつけたランディの両親はその殴られた顔を見て驚く。しかしアダムは眠っている。ランディの父はアダムを起こし問い詰めた。しかしアダムにはその覚えがない。ランディの母に言われ、自分自身に混乱しながら部屋を出た。救急隊が到着。そこへフラフラと戻って来たアダム。側にいた刑事に第二級暴行罪で逮捕された。オレゴン州法では救急への通報であっても医療関係者が事件性があると判断した場合、病院から警察への報告義務がある。全く記憶にない“罪”でアダムは拘留された。2日後。ランディは夫の保釈査問会に出頭。ランディはケガを負いながら必死で夫の無実を訴えた。結果、第四級暴行罪へ軽減し保釈が認められるも被告の妻への接触を禁じられた。依然、アダムは「配偶者虐待」という重罪。保釈後すぐにアダムはウィラメット睡眠センターへ向かった。検査の結果、レム睡眠行動障害と診断。これはレム睡眠時に体が動き出してしまう睡眠障害。子供に多い「睡眠時遊行症」、いわゆる夢遊病がノンレム睡眠時に起こるのに対し、レム睡眠時に起こる比較的高齢者に多い症状だ。通常、レム睡眠時は脳は活動して夢を見たりするが脳から筋肉への神経伝達物質が抑制され、体に力が入ることはない。しかしレム睡眠行動障害の患者は様々な原因でこの抑制が効かなくなり、見ている夢をそのまま行動に移すことが多く、怖い夢を見ていると暴力的な行動に出る場合がある。息子の泣き声に原始反応を起こして暴走したのではないかと考えられ、ストレスがあると眠りが浅くなりレム睡眠の時間が増えたり、悪夢を見る事がある。アダムには借金の悩みがあったことから、それがストレスとなったようだ。クロナゼパムという神経の興奮を抑える薬が処方された。アダムは診断書を提出したがオレゴン州の地方検察局は起訴を取り下げず、その後も別居生活を余儀なくされた。一緒に暮らしたいと望んだ夫婦はテレビ番組に出演し「レム睡眠行動障害」についての理解や「接近禁止命令」の撤回を訴え全米が注目。
あれから3年。夫婦のもとを仰天スタッフが訪ねた・・・。
キャスト
MC 笑福亭鶴瓶 中居正広
ゲスト(50音順) 木村文乃 キンタロー クリス松村 紗栄子 長谷川博己
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眠りの不思議スペシャル
出演者
- MC
- 笑福亭鶴瓶、中居正広、鈴江奈々アナ
- ゲスト
- 木村文乃、キンタロー。、クリス松村、紗栄子、長谷川博己(五十音順)
番組内容
今夜は…眠りの不思議SP▽ある男性が抱えている悩み…それは不眠症!どんなに疲れていても眠れず、次第に症状は悪化…食事もできなくなり歩くことも困難に…!!それは家族をも脅かす遺伝性の病気だった!▽突然別居を余儀なくされた仲の良い夫婦…それは夫が眠っている間に起こした事件が原因だった…彼の身に一体何が起きたのか!?▽やってはいけない眠り方を先生が紹介!ゲストは長谷川博己&木村文乃!睡眠の悩みを告白!
音楽
- エンディング曲
- タイトル
- ロックド・アウト・オブ・ヘヴン
- アーティスト
- ブルーノ・マーズ