愛知居座り:逮捕の女、人質偽装か 覚醒剤反応も
毎日新聞 2013年04月17日 15時00分(最終更新 04月17日 17時53分)
愛知県稲沢市のアパートで16日、刃物を持った住人の男と女が屋根の上に約7時間居座った事件で、松本真作容疑者(34)=銃刀法違反容疑で逮捕=とともに犯人隠避容疑で逮捕された矢島麻里容疑者(30)が、屋根から見えた捜査員の位置や動きなどを松本容疑者に伝えていたことが県警への取材で分かった。松本容疑者は刃物を手に「女を落とすぞ」などと叫んだが、県警は矢島容疑者が人質を装っていた可能性もあるとみている。矢島容疑者の尿からは覚醒剤反応が出たという。
県警によると、屋根には矢島容疑者が最初に自分で上り、窃盗容疑で逮捕状が出ていた松本容疑者が続いた。矢島容疑者は「松本容疑者が捕まらないよう逃がした」と供述しているという。
松本容疑者は乾電池の差し入れを求めるなど屋根の上から捜査員と断続的に交渉していた。交渉中などに矢島容疑者が、アパートを取り囲んでいた捜査員の動向を松本容疑者に伝える様子が複数回確認されたという。
県警は、矢島容疑者が、松本容疑者の逃走を助けようと協力したとみて追及する。2人の知人によると、2人は昨年夏ごろから交際していたという。
事件は16日午後1時40分ごろ、県警捜査員が車の窃盗容疑で松本容疑者を逮捕しようとアパート2階の部屋を訪れたが、2人は屋根に逃走。同8時40分ごろ、県警特殊捜査班「SIT」隊員が突入し、2人を現行犯逮捕した。【岡大介、三上剛輝】