そこが聞きたい:普天間飛行場移設 稲嶺進氏

毎日新聞 2013年04月17日 東京朝刊

 あと2年で戦後70年になりますが、新たな基地が建設されてしまえば、戦後が再び継続することになります。政府が振興策などで沖縄の分断を図ってきた時、「権力を持つ国に手出しできないならば、もらえるものはもらいたい」と追い込まれていくかもしれません。しかし補償を受けるのは今の大人で、新たな基地の被害を背負わされるのは後の世代です。後世から適正な評価を受けられるようにしないといけないと思うのです。政治家の公約は重い。ウチナーンチュ(沖縄の人)の代表たる政治家こそが「自分の言ったことに責任を持たずにどうする」と思うべきです。

 −−沖縄の団結が今、試されているということですか。

 その通りです。

 −−サンフランシスコ講和条約が発効した1952年4月28日を記念して、政府は28日に「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開催します。しかし条約発効によって米国統治が合法化された沖縄では、4月28日を「屈辱の日」=2=とも呼び、式典には反発があります。

 なぜ急に、今ごろになって開くのでしょうか。その日は中央にとっては主権回復ですが、沖縄には米国に対して質草として差し出されたとの思いがあります。安倍晋三首相が最初に国会で式典の話をした時に、沖縄が本土から切り離された歴史は首相の頭の中になかったのではないでしょうか。沖縄での反発が報じられてから、沖縄に言及するようになりましたから。

 −−市長にとって米国統治時代とはどんな時代でしたか。

 「屈辱の日」当日はまだ小さかったので記憶にありません。しかし米国統治はつらい時代でした。小学校にははだしで通い、生活のために自宅近くの山でまきを集めたりしました。クリスマスに米軍からチョコレートやアイスクリーム、野球用品をもらった思い出もありますが、成長するにつれ、米兵が事件事故を起こしても罪に問われない現実や米軍の圧政のひどさが分かってきました。米軍はウチナーンチュに対し植民地の人間のように接していました。本土の人はこういう現実があったことをあまり知らないと思います。

 −−沖縄県議会の野党・中立会派は政府式典に合わせ、沖縄で抗議集会を開きます。今年の4月28日はどういう一日であるべきでしょうか。

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