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エンタメ
【ZOOM】NHK台湾番組訴訟 「先住民の名誉に傷」控訴
2013.1.15 08:03
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「個々に責任負わず」
「日台戦争」という用語を使ったことも争点になった。原告側は、提唱者の中京大教授、檜山幸夫台湾史研究センター長が放送翌年に刊行した書籍を証拠提出。檜山教授は序文で番組に触れ、日台戦争は政府と大本営の戦争指導論などを呼称したもので、番組は「全く異なる考え方で用いた」と批判。「口述記録は記録の客観性と信頼性が生命。意図的に自分の主張にあった内容を語らせたり、言葉を抜き出してはならない」とし、番組を「口述記録の史料的信頼性を失墜させた」と批判した。
しかし、判決は「日台戦争」や後藤新平の取り上げ方など、原告に加わった視聴者が問題視した側面には触れず、偏向についても「社会通念上許される限度を超える番組内容であるとまでは評価できない」とした。
NHKが個々の受信契約者に対し、公平公正を定めた放送法に従った放送をする義務を負うかについては、「放送番組編集の自由を著しく制約することになる」として認めなかった。
NHK広報局は「主張が認められ、妥当な判決だと考えています」とコメントしている。
控訴審で原告側は、高許さんの発言編集や、「人間動物園」は史実ではなく、親子の名誉を傷つけたとして争う方針。原告はパイワン族37人、一般視聴者5人の計42人。
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