輸入自転車:前輪破損し障害 輸入元に損賠命令…東京地裁

毎日新聞 2013年03月25日 20時09分(最終更新 03月25日 23時28分)

前輪が外れた自転車を見つめる中島さん=東京・霞が関の司法記者クラブで2013年3月25日、鈴木一生撮影
前輪が外れた自転車を見つめる中島さん=東京・霞が関の司法記者クラブで2013年3月25日、鈴木一生撮影

 イタリアの自転車メーカー「ビアンキ」ブランドの自転車の前輪が外れて転倒し、後遺障害が残ったとして、茨城県つくば市の中島寛さん(63)と保険会社などが製造物責任法(PL法)に基づき、輸入元でビアンキの親会社の日本法人「サイクルヨーロッパジャパン」(東京都千代田区)に総額約2億4000万円の賠償を求めた訴訟の判決が25日、東京地裁であった。白井(しらい)幸夫裁判長は製品の欠陥を認め、サ社側に約1億8900万円(うち保険会社に約3800万円)の支払いを命じた。

 判決によると、中島さんは08年8月、出勤中に自転車の前輪がサスペンション部分から外れ、前のめりに転倒。頸椎(けいつい)を損傷して、首から下がまひした。この自転車の前輪とハンドルがサスペンション内のバネだけで連結されていた。

 判決は、目撃情報や自転車の損傷状況から、走行中に前輪が外れたと判断。「保管やメンテナンスの状況を考慮しても、通常有すべき安全性を欠いていた」と指摘し、PL法上の欠陥を認めた。一方で、中島さんが購入から事故までの約6年4カ月、点検やメンテナンスを受けていなかったことから、損害額の1割を減額した。

 サ社は「主張が認められず、誠に残念です」とコメントした。

   ◇

 車いすの中島さんは東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「涙が出た」と喜んだ。事故前はソフトウエア会社の経営者だったが、事故後はリハビリ生活を送る日々だ。

 問題のサスペンションについて、サ社側は「日本国内の自転車約10万台に使われている」などと「ユーザーの過失」を主張したが、判決は一蹴した。中島さんの弁護士によると、同種の事故は国内外で他に6件起きているという。

 中島さんは「今も自転車は好きで、もし体が戻ったらまた乗りたい。だが、自転車業界は速やかに(安全性の問題の)情報がユーザーに届くように考えてほしい」と訴えた。【鈴木一生】

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