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国際
【正論】東京基督教大学教授・西岡力 金正恩氏は不安な「カダフィ」か
「1号」とは金氏一族を指す。韓国への脱北者が運営するインターネットニュース「ニューフォーカス」は、「1号戦闘勤務態勢」に基づいて、祖父の金日成、父親の金正日両氏の銅像や肖像画などが24時間体制で警備されている、と伝えた。
米軍が2005年に、心理戦である5030作戦計画で、ステルス戦闘機を北朝鮮上空に飛行させて轟音(ごうおん)とともに急上昇や急降下を繰り返し実施させたことがある。恐怖に駆られた正日氏は地下に潜って姿を隠したとされる。作戦に参加したパイロットが最近、「私にとって最も記憶に残る任務は北朝鮮の領空をかき回したことだ…その任務のことを考えると、気が遠くなる感じだ」(エアフォース・タイムズ)と証言した。
《米ステルス戦闘機を恐れ》
ステルス戦闘機も投入された今回の米韓合同軍事演習で、5030作戦が実行されたかどうかは不明ながら、正恩氏は朝鮮日報報道に接して、そのことを想起し、直ちに銅像を守れ、俺の安全を守れと命令したのではないか。北朝鮮メディアでは、外には戦争をするぞと力む一方で、連日、「金正恩将軍さまを命がけで守護しよう」と叫ぶ住民の声やそんな内容の革命歌謡を流し続けている。
国内的な不安も多い。正恩氏は権力の最大基盤である軍部さえ掌握しきっていない。正日氏死後、軍の最高幹部が大幅に粛清され、昨年7月には、正日氏が正恩氏に付けたとされる軍内での後見人、李英浩・総参謀長が逮捕、解任される事態まで起きている。
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