インターネットを通じてさまざまな情報が閲覧でき、送料無料で本を買える時代に、図書館の役割はどうなるのか。佐賀県の武雄市図書館がそのモデルを示しつつある。
2013年4月1日、同図書館は改装オープンした。TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者として図書館運営にあたる。図書館内には、書籍販売や音楽・映像レンタルショップの「蔦屋書店 武雄市図書館店」や、スターバックスコーヒーが出店する。
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開架式と閉架式の2つの蔵書方式のうち、大半を開架式とした。従来は17万冊のうち、開架式は10万冊だったが、改装後は20万冊を開架式の書棚に並べた。膨大な数の書籍を開架式にすることで、利用者が自由に本を取り出せるようになり、知らなかった本に気づき、出会える空間が生まれた。
開架式の書棚の導入により、利用者の滞在時間は従来以上に長くなる。そこでゆっくりと本を楽しめるよう、スターバックス コーヒーのカフェ席を設けた。玄関右手にスターバックスのカウンターがあり、玄関脇にはテラス席がある。2階のキャットウォーク部分のアトリウム側にも閲覧席を設けるなど、館内の座席も従来の187席から279席へ増やした。
このほか、武雄市民から要望の高かった雑誌や映像などソフト面での充実も図っている。取り扱い数が107タイトルだった雑誌は600タイトル以上に拡大。VHSが中心だった映像作品2600枚を4万5000枚に、CDも1600枚から3万枚に増やした(ただし、このラインアップは主に有料レンタル)。