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(17時間29分前に更新) |
「まだ若いのに…」。フィギュアスケート女子・浅田真央(中京大)の、来季限りの現役引退表明に接して、多くの人がそう感じたはずだ
▼浅田は世界国別対抗戦で女子5位に終わった後、「五輪という最高の大きな舞台が待っているので、そこで自分の集大成としていい演技ができるように頑張りたい」と語った。来年のソチ五輪を、自らの総決算とする考えだ
▼2005年、世界の実力者によるグランプリ(GP)ファイナルで15歳の浅田は初出場で優勝を成し遂げた。「世界一」だったが、年齢制限で翌年のトリノ五輪への出場はかなわなかった
▼常にアイドル並みの注目を浴び続けて、フィギュア界をけん引。10年のバンクーバー五輪では銀メダルに輝いた。代名詞ともいえるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の切れは言うに及ばず、その愛くるしい表現力は誰もが認めるところだ
▼実は22歳という年齢は、フィギュア界ではベテランの域で、若くはないのだという。国別対抗のフリーで「白鳥の湖」の演技後、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。厳しい練習は、足や腰に相当の負荷がかかっているはずだ
▼引退することは決めたが、モチベーションは下がっていないのはその表情から分かる。「退路を断った」ともいわれる、その決断の先にある「栄冠」に期待したい。(崎浜秀也)