原発の新しい規制基準案 了承4月10日 12時36分
東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、深刻な事故への対策を初めて電力会社に義務づける新たな規制基準の案が、原子力規制委員会で了承されました。
この基準は、原発の運転再開の前提になっていて、規制委員会が、ことし7月以降の新基準に基づく原発の審査で、どのような判断をするのか注目されます。
新たな規制基準は、福島第一原発のような深刻な事故への対策や地震や津波の想定を、これまでより厳格に行うことを電力会社に義務づけるもので、そのほとんどが停止中の原発の運転再開の前提となります。
10日の会合では、規制委員会が専門家と共におよそ半年間かけてまとめた基準の案が示され、了承されました。
基準の案では、運転再開の前提となるものとして、古い原発では電源ケーブルを原則、燃えない材質に交換することや、緊急時に原子炉を冷却する配管などを多重化するよう求めています。
また、原発事故での前線基地「免震重要棟」のような設備を整備し、必要な装備や支援なく1週間活動できる食料などを備蓄することを要求するほか、福島第一原発と同じ沸騰水型と呼ばれる原発では、放射性物質の放出を抑えながら格納容器の圧力を下げる「フィルターベント」の設置を求めるとしています。
さらに、国の基準がなかった津波については、発生の可能性がある最大規模を「基準津波」として想定し、原発を守る防潮堤や施設に水が入らない「水密化」などの対策を要求しています。
新基準の案は、国民の意見を聞いたうえで修正し、ことし7月18日までに施行されます。
政府は、規制委員会が安全性を確認した原発を運転再開させる方針で、規制委員会がことし7月以降の新基準に基づく審査でどのような判断をするのか注目されます。
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