「個人の自由や権利が束縛され、自民党が支配しやすい国家になる」。右翼団体・一水会顧問の鈴木邦男氏は、2013年4月15日(月)、「『右傾化する日本』を新右翼としてどう見るか ──改憲、愛国心強制、排外主義を乗り越えて」と題した講演会でこのように述べ、「アメリカに追随する憲法になるより、今の方がいい」とし、改憲論者でありながらも、現在の安倍政権による改憲は危険であると警鐘を鳴らした。
■講師 鈴木邦男氏(新右翼団体「一水会」顧問)
■主催 連合通信社
■詳細 http://www.labornetjp.org/EventItem/1364274389341staff01
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鈴木氏は、講演会で、一水会立ち上げのきっかけについて言及した。三島事件で、三島由紀夫氏とともに自決した森田必勝氏は、鈴木氏の大学の後輩である。鈴木氏らが大学の右翼グループに勧誘したことで、森田氏は右翼の道を歩むこととなり、結果、三島事件での自決に至ったという。その頃には安保闘争も終わり、多くの人が運動から離れ鈴木氏は産経新聞社に就職して普通の生活を送っていた。「革命の火も去った。(運動は)終わったと思っていた。しかし、産経新聞社で働き始めてから半年ほどで三島事件が起きた。昔の仲間で集まり、『我々がオルグした森田に申し訳ないよなぁ』と話した。それが一水会という集まりになった」と、鈴木氏は当時を振り返った。
また、鈴木氏は、新大久保や鶴橋で行われている「行動する保守」の反韓・差別デモを批判。「右翼には排外・差別主義者はいない。在日外国人は右翼の中にもいっぱいいる」と話し、日韓に関する右翼の歴史として、次のようなエピソードを紹介した。
冷戦下の日本、韓国、台湾、アメリカは、ソ連、中国に対向する「反共インターナショナリズム 」で繋がっており仲良かったが、現在、かつての反共国がバラバラになり、お互いを敵視し合うようになった。日本で最も有名な右翼と言われる故・赤尾敏氏は、戦前から、国会議員として「アメリカやイギリスのような民主主義国家とともに戦うべきだ」と主張。戦後の冷戦下でも、「韓国は民主主義の同志」であるとし、領土問題で団結出来ないくらいなら「竹島をダイナマイトで爆破してしまえ」とまで話したという。
さらに、鈴木氏の話しは、自民党の掲げる憲法改正案について展開。自民党の、憲法前文の改正案には、「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を〜」とあり、「戦争への反省もまったくなくなっている」と鈴木氏は指摘。また、「国民は国旗及び国歌を尊重しなければならない」と明記される3条について、鈴木氏は、「日の丸も君が代も好きだが、いやいや歌われるのは日の丸も君が代も可哀相」と述べ、国民にこのような強制はすべきでないとの認識を示した。国防軍については、「今、憲法では、軍隊を持てないにも関わらず、強大な自衛隊という軍事力がある。それを、はっきり『国防軍』と認めたら、どこまで行くかわからないという不安がある」と話した。
このような理由から鈴木氏は、改憲論者でありながらも、「個人の自由や権利が束縛され、自民党が支配しやすい国家になる」とし、「アメリカに追随する憲法になるより、今の方がいい」と、現在の安倍政権による改憲は危険だと警鐘を鳴らした。【IWJ・原】
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