サムスンエンジニアリングは、16日に発表する第1四半期(1-3月)決算に海外工事での損失を反映させる方針を固めた。今年完成予定の米国ダウ・ケミカル工場(総工費4600億ウォン=約396億円)、サウジアラビア・アデンのアルミニウム工場(6600億ウォン=約570億円)などで出た損失が計上される見通しだ。2件の工事では数千億ウォン(数百億円)台の損失が出ているとされ、大幅な赤字決算が見込まれる。
サムスンエンジニアリングは今年7月、アデンのアルミニウム鋳造施設(1600億ウォン=約138億円)、来年にはサウジの液化天然ガス(LNG)処理・供給プラント(2兆3000億ウォン=約1980億円)の完成を控えており、そこでも同様の損失が出た場合、さらにショックは拡大しそうだ。
海外での建設工事入札で無理な安値受注を重ねた結果、多額の損失を出すのは、GS建設に続き2例目となる。GS建設は先週、営業損益が5355億ウォン(約461億円)の赤字という「信じられない結果」(KTB投資証券)の第1四半期決算を発表した。同社の株価は2日連続ストップ安となり、15日には8.54%安と下げ止まらなかった。
非上場のSK建設も海外工事の原価率が最近2年間で約10ポイント上昇したため、損失引当金を8000億ウォン(約689億円)以上確保するなど、業績ショックに備えている。SK建設は2011年に18億4400万ドル(約1780億円)で受注したサウジのガスプラント工事をめぐり、落札価格が予定価格に比べ低いため、当初から収支が厳しいと伝えられていた。工事は来年3月に完成予定だ。
現代建設は既に海外工事の赤字解消に努力しており、昨年までに約7000億ウォン(約600億円)の損失を処理した。クウェートの石油パイプライン工事で750億ウォン(約65億円)、アラブ首長国連邦(UAE)の石油化学プラントで600億ウォン(約52億円)の損失をそれぞれ出した。