PC遠隔操作:片山容疑者を起訴 「なぜこんなことに」

毎日新聞 2013年03月22日 21時32分

 パソコン(PC)遠隔操作事件で、大阪の男性や愛知の会社のPCから3件の犯罪予告を書き込んだとして、東京地検は22日、IT関連会社社員、片山祐輔容疑者(30)をハイジャック防止法違反(航空機の運航阻害)などの罪で起訴した。

 一連の事件で初めての起訴で、無差別殺人を予告した大阪の誤認逮捕事件も含まれている。地検は「捜査は継続する」としている。

 起訴状によると、片山被告は(1)12年7月29日〜8月5日、ウイルス感染した大阪府の男性のPCから「ヲタロードで大量殺人する。歩行者天国にトラックで突っ込む」などと書いたメールを大阪市に送信し、警察官らの業務を妨害した(偽計業務妨害罪)(2)同年8月1日、同じPCから「航空機に同志が爆弾を持ち込んだ」との航空機爆破の予告メールを日本航空に送信して航空機を引き返させた(ハイジャック防止法違反)(3)同年8月9〜12日、同様の手口で愛知県内の会社のPCからインターネット掲示板に大量殺人の予告を書き込んで、イベント企画会社の警備に支障を生じさせた(威力業務妨害罪)−−とされる。

 弁護人の佐藤博史弁護士によると、片山被告は起訴にショックを受けた様子で、頭を抱えながら「なぜこんなことになったのか」と繰り返したという。

 片山被告は「ウイルスを作ったり使ったりしたことはない」などと容疑を一貫して否認している。

 一連の事件ではPC6台から計13件の犯罪予告が書き込まれ、大阪や三重などの男性4人が誤認逮捕された。

 片山被告は大阪の2件を含む3事件で一括起訴されたが、捜査本部は大阪以外の誤認逮捕事件の解明に向けて捜査を継続。三重の男性のPCから送信された伊勢神宮の爆破予告事件などでの再逮捕も視野に入れている。【山本将克、松本惇】

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