ベネズエラ大統領選:与党マドゥロ氏が勝利宣言
毎日新聞 2013年04月16日 10時39分(最終更新 04月16日 11時29分)
【カラカス國枝すみれ】南米ベネズエラでチャベス前大統領の死去に伴う大統領選挙から一夜明けた15日、選管にあたる全国選挙評議会は再集計の結果、改めて与党・統一社会党のニコラス・マドゥロ暫定大統領(50)の当選を発表し、マドゥロ氏が勝利宣言した。一方、野党候補のエンリケ・カプリレス氏(40)は敗北を認めておらず、混乱が続く可能性もある。
評議会は15日、54%の票が再集計された時点で、マドゥロ氏の得票率が50.75%、カプリレス氏は48.97%だったとして、マドゥロ氏の当選を宣言した。評議会のルセナ代表は「カプリレス氏が結果を認めないのは自由だが、法律は尊重されなければならない」と述べた。マドゥロ氏は当選確定の結果を受けて「1票差でも勝ちは勝ちだ」と演説し、「チャベス(前大統領)の戦いは続く。それを認めろ」と反チャベス派に敗北を認めるよう迫った。
一方、カプリレス氏は15日、あくまで全票の再集計を要求。「勝利宣言してもマドゥロ氏に正統性はない。各州の選挙評議会事務所に再集計を求め、17日には一緒に抗議デモを行おう」と支持者に呼びかけた。
両陣営は暴力の抑止を呼びかけているが、各地で散発的な衝突が起きている。首都カラカス東部では15日、カプリレス支持者とみられる若者数百人が道路を封鎖し、催涙弾を使って追い散らそうとする警察に投石で応戦した。また、西部バリナス州で、道路に放置してあった投票箱をめぐり、警察がガス弾を投げる事件が起き、両陣営が「相手陣営のたくらみ」と批判している。
選挙結果をめぐり、国際社会も対応が割れている。中国、ロシア、キューバなどチャベス氏が関係を深めた友好国は既にマドゥロ氏を新大統領として承認したが、スペインは留保。米国と米国主導の米州機構(OAS)は、野党側が主張する全票の再集計に賛成する立場を明らかにした。