京都府立医科大は11日、松原弘明元教授=2月退職=が関わった2001〜11年の論文計14本で、捏造(ねつぞう)や画像の使い回しなどの不正があったと発表した。元教授は04年、急性心筋梗塞の患者から取り出した幹細胞を直接注入する世界初の臨床試験をしたが、学内の倫理委員会に試験承認の申請をした際に提出した参考論文にも不正があったという。
府立医大によると、松原元教授らのチームは04年2月、急性心筋梗塞を起こした男性患者の血液から幹細胞を採取し、カテーテルで足から冠動脈に直接注入する臨床試験をした。
元教授は別の大学に在籍した02年に発表した豚の実験で、幹細胞移植により血管の数が増えたことを確認したとする参考論文を、府立医大の倫理委に提出していた。不正の指摘を受けた大学側が調査委員会を設置し、論文を調査した結果、「論文の画像は血管数が増えたように見えるが、実験ノートや生データの提示がない」とし、改ざんされたと結論付けた。
伏木信次副学長は「改ざんが当時分かっていれば、倫理委として承認することはなかった」と述べた。
松原元教授は弁護士を通じ、「捏造した事実は絶対にありません」とコメントした。大学側に再調査を求める申し立てをしたが、却下されたという。
[時事通信社]
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