京都府立医大:不正5論文、倫理委パス…松原元教授が申請

毎日新聞 2013年04月12日 02時31分(最終更新 04月12日 04時13分)

 倫理委が複数の不正論文を見逃していたことについて、会見に同席した、論文不正に関する調査委員会の木下茂・委員長は「当時は不正論文だと分からなかった上、ドイツの著名な研究者が類似の手法で行っており、仕方がなかった面がある」としながらも、「現在ならば、きちんと動物実験でも急性心筋梗塞(こうそく)のモデルでやらなければ認められない」と話した。

 松原元教授は調査結果について、「基礎実験(動物実験)を実施していないことが倫理上問題ならば、それは許可した倫理委の問題だ」と、調査委に不服申し立てをしていたが、調査委は認めず、この日の公表となった。

 また、大学側は松原元教授が関与した論文のうち、14本に計52カ所の捏造(ねつぞう)や改ざんなどがあったとの調査結果も公表した。今後、大学を運営する法人が元教授の処分を検討する。

 木下委員長は「すべての論文に関与しているのは松原氏だけで、責任は重い。(我々も)もっと早く見いだせれば良かったが……」と話した。14本は2001〜11年の発表。顕微鏡写真などの画像について、回転や拡大・縮小によって別画像に見せかけるなどの不正があったとした。

 調査委は、外部から指摘を受けた大学側が11年12月に学外の有識者を交えて設置。元教授がかつて所属した関西医大在籍中(03年3月まで)に関与した論文を含む18本を調べた。

 ◇元教授の代理人「捏造事実ない」

 松原元教授の代理人、藤田正樹弁護士(京都弁護士会)は11日、京都市内で記者会見し「(松原元教授が)改ざんや捏造(ねつぞう)をしたり、指示した事実はない」と反論した。松原元教授は心因性疾患で入院中という。

 藤田弁護士は「調査対象の論文には多数の執筆者がかかわっている。一部に改ざん・捏造が指摘され、十分に監督責任を果たせなかったことは反省している」などと、松原元教授の主張を説明した。

 また、調査委員会の調査は厳密さを欠くとして、今後、名誉毀損(きそん)などの法的措置を検討するとした。【松井豊】

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