【鍛治信太郎、小宮山亮磨】京都府立医大(京都市)の松原弘明・元教授(2月末に退職)の論文に相次いで不正が指摘されていた問題で、同大の調査委員会は11日、14論文の計54件で画像の改ざんなどの不正行為があったとする報告書をまとめ発表した。そのうち1件は、幹細胞移植の再生医療の臨床試験への申請に利用しており、調査委は「医療倫理上、重大な問題が含まれている可能性がある」と指摘した。同大は今後、退職金返還などの処分を検討する。
これに対し松原元教授側は「画像などを捏造(ねつぞう)、改ざんなどした事実は絶対にない」と全面的に否定している。研究費を出した厚生労働、文部科学の両省は大学側に報告を求める考えだ。
この問題をめぐっては、外部からの指摘を受け、大学側が2011年12月に学外の有識者も含む調査委を設置。元教授がかかわった1999年から11年の18本の論文について本人や共著者77人から事情を聴き調べた。
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朝日新聞社会部