2013.4.16 13:37

ミスターと同時受賞、松井氏を戸惑わせた国民栄誉賞(3/4ページ)

長嶋茂雄氏

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 ▽突然の映画「長嶋物語」

 今回の受賞発表の数日前、テレビのBS日テレで「ミスタージャイアンツ・勝利の旗」という、1964年に上映された長嶋選手物語の映画が放送された。

 「えー、なんで今頃」と思いながら見ていたら、国民栄誉賞発表である。巨人の親会社、読売新聞や日本テレビにとって長嶋氏の受賞は遅きに失したぐらいだろうが、松井氏の受賞は“渡りに船”であろう。5月5日に東京ドームで松井氏の引退セレモニーが行われる。巨人の実質的オーナーである渡辺恒雄氏の「将来は松井氏を巨人監督に」という目論見に大きな力となる。逆にいえば、今度の受賞も政治家と組んだ読売の行動ではないかという憶測がされている。これでは、どちらが利用したのか分からないというものだ。

 ▽ミスターをもっと生かせ

 大相撲の大横綱大鵬さんが亡くなってからの国民栄誉賞受賞となった反省から、長嶋氏が元気なうちに受賞することはいいことである。ただ、最初の国民栄誉賞受賞者の王貞治氏はソフトバンク球団会長の傍ら、日本球界の顔として活動している。その点、ミスタープロ野球といわれた国民的英雄の長嶋氏を読売グループは抱え込み過ぎているように感じられる。

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