2013.4.16 13:37

ミスターと同時受賞、松井氏を戸惑わせた国民栄誉賞(2/4ページ)

長嶋茂雄氏(左)と松井秀喜氏(右)

長嶋茂雄氏(左)と松井秀喜氏(右)【拡大】

 ▽師弟関係を逆手に取る?

 長嶋氏と松井氏は強い師弟関係で結ばれている。だから松井氏は長嶋氏と一緒の国民栄誉賞受賞を内々に聞かされたとき、断る理由がなくなってしまったのだろう。

 安倍総理大臣が松井氏の受賞理由を「日米のプロ野球で活躍」と説明した。昨年の引退をきっかけに松井氏がもらうのもありだが、それなら今日の日本選手の米国行きのパイオニア的存在の野茂英雄氏が先という声は当然のように聞こえた。イチロー選手はメジャー1年目に首位打者になった2001年とメジャーのシーズン最多安打記録を樹立した2004年に国民栄誉賞受賞の話があったそうだが、現役選手を理由に内々に断ったそうだ。

 ▽政治家と距離置いた名将

 まあ、国民栄誉賞の受賞基準はあってなきに等しいもので、時の政権が国民にアピールする類のものだと割り切るしかない。しかし、政治家との結び付きに神経を使うスポーツ界の人間は多い。茨城・取手二高や常総学院高で春夏の甲子園で3度優勝した名物監督だった木内幸男氏もそんな一人である。「県立の場合、グラウンドの整備ひとつでも10年ぐらいかかるが政治家に頼めば2年でできる。でも、今度は選手を取れとか頼まれる。それでは生徒たちの公平性が保てなくなるから一切付き合いはなし」と、引退後の講演で話したものだ。

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