ディッシュ・ネットワークが米スプリント・ネクステルの買収に名乗りを上げ、ソフトバンクとの買収合戦の様相を呈してきた。ソフトバンクはスプリントの経営陣や株主に携帯電話事業の連携による相乗効果などを訴え、理解を求めていくとみられる。
ソフトバンクの買収案は現在、米連邦通信委員会(FCC)が審査中。FCCは外国企業の通信機器の購入を制限することなどを条件に承認するとみられていた。承認後、スプリントの株主総会を経て6月にも買収完了の予定だった。
ディッシュの提案を受け、今後はスプリントの経営陣がソフトバンクの計画と比較したうえでどちらの提案が有利かを見極め、そのうえで株主の判断を仰ぐことになる。
ソフトバンクにとってスプリントは世界市場への重要な足がかり。ある外資系証券アナリストはソフトバンクが「買収額を引き上げるなど提案内容を見直す可能性がある」と指摘する。
ソフトバンクは昨年、スプリント買収に備え金融機関から合計で1兆6500億円のつなぎ融資を受けると発表。つなぎ融資は買収資金に充て、中長期の資金に借りかえる予定だ。すでに個人向けなど3700億円の社債を発行。米ドル建てとユーロ建てで総額20億ドル(約1960億円)の社債発行も決めた。
12年12月末の有利子負債は1兆9354億円と1年前から4000億円強増加している。買収額の積み増しとなれば資金調達戦略の見直しは必至。ソフトバンクの株価は昨年10月の買収発表後、財務体質の悪化を懸念して一時低迷した。買収額を上積みすれば売り圧力が強まる可能性もある。
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