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グーグルに表示差し止め命令
大手検索サイト「グーグル」に自分の名前を入力すると、身に覚えのない犯罪行為を連想させる単語が表示されるとして、男性が表示をやめるよう求めた裁判で、東京地方裁判所は「違法な記事を閲覧しやすい状況を放置した」と指摘し、グーグルに対し、表示の差し止めと慰謝料30万円の支払いを命じました。
「グーグル」の検索サイトに名前などを入力すると、「サジェスト機能」と呼ばれる機能によって、補足情報として単語が自動的に表示され、例えば「NHK」と入力すると、「ニュース」や「ラジオ」などの文字が表示されます。
原告の男性は、グーグルの検索サイトに自分の名前を入力すると、身に覚えのない犯罪行為を連想させる単語が表示され、それが原因で退職に追い込まれたとして、表示の中止と慰謝料など1300万円の支払いを求めていました。
15日の判決で東京地方裁判所の小林久起裁判長は「プライバシーの侵害にあたる違法な投稿記事を、簡単に閲覧しやすい状況をつくり出したまま放置し、男性の社会的評価を低下させた」と指摘し、グーグルに対して表示の差し止めと、慰謝料30万円の支払いを命じました。
男性の弁護士は、記者会見で「検索サイトで情報が表示される機能について、会社の責任を認めた判決は初めてだとみられ、大きな意義がある。同じような訴えの裁判に与える影響も大きいと思う。グーグルには誠実に対応してもらいたい」と述べました。
判決について、グーグルの日本法人は「判決の内容を精査し今後の対応を検討します」とコメントしています。
「サジェスト機能」というのは、インターネットの検索サイトで調べたい言葉を入力すると、補足の情報が自動的に表示される機能です。
たとえば、「NHK」と入力すると、「ニュース」や「ラジオ」などといった関連する言葉が自動的に表示されます。
グーグルだけでなく、ヤフーやマイクロソフトなど、ほとんどの検索サービスで導入され、グーグルは2008年からこのサジェスト機能の提供を正式に始めました。補足の情報の表示は、過去の膨大な検索結果を機械的に処理し、検索する人が何を調べたいか推測する形で行われ、入力の手間を省いたり、関連情報を探しやすくしたりするためなどに利用されています。
一方で、著名人や企業の名前とともに、中傷する単語が自動的に表示されるケースも相次いでいて、問題視する声も上がっています。
04月15日 19時16分