２階級世界王者を相手に“10戦全勝”——。“アマ７冠”の怪物・井上尚弥（２０＝大橋）が今日１６日、後楽園ホールでプロ３戦目を行う。

　５０キロ契約で行われるノンタイトル１０回戦の相手は、日本ライトフライ級１位の佐野友樹（３１＝松田）。１５日に前日計量を終えた井上は「コンディションは１００％」と語った。

　日本ランク１位との対戦ということで井上は「当然、次のことを意識しないといけない」と日本タイトル戦。さらにその先にある世界挑戦を見据えていることを明かした。だが、実はすでに世界のレベルでの戦いは始まっている。所属する大橋ジムには、８日に２階級制覇を達成したばかりのＷＢＣフライ級王者・八重樫東（３０）がいる。

　八重樫の試合前は、相手の五十嵐俊幸（２９＝帝拳）がサウスポーということで行われなかったが、これまでの井上と八重樫のスパーリングは１０回ほど行われたことがあるという。練習なので勝敗をつけることが目的ではないが、あえて採点するとしたら「井上の全勝」と大橋秀行会長（４８）は話す。

　プロとしての過去２戦はいずれもＫＯ勝ちだが「倒すことも判定もイメージはできている。リラックスして練習してきたことを、どれだけできるか」（井上）。フジテレビ系列で生中継される試合で、お茶の間にどこまでアピールできるか。