今年はいつもの引継ぎのお稽古と違えた。
行台子で、2種類の奥伝、奥秘をお稽古した。
一度に、同時にお稽古したことはない。
今までは、そんな無茶はしないで、一つをしっかり終わらせて次に行った。
どうも、お道具を出したり仕舞ったりが一人では大変!
それで、略せるところは略した。
使った道具も自分の周りに置いてお稽古した。
なにしろ立ったり座ったりが大変なのである。
3月になると正座も上手く、奥伝の間は座っていられ、お道具を持って立ったり座ったりも大丈夫に。
嬉しかった。
努力が実った。
やはり、茶の湯は身体によいのだとつくづく思う。
難しいことは、生徒さんに教える前に昔から自分の手で何度もやるというのが私のやり方である。
私は至って不器用、手で覚えていかないと自信をもって教えられない。
奥伝、奥秘の伝授はなおさら、親先生とお家元から伝授を任された責任は大きい。
順番だけではない。
お点前の歴史、由来をしっかり説明して伝授になる。
大事なのは、茶道のルーツを感じてもらう事なのである。
今週の日曜日には、真台子の伝授が無事終了。
生徒さんたちは、今度は自分で復習して古今伝授の式に臨む。
今日は私は、今週の生徒さんたちの行台子を研究した。
まじかなので、もう同時に二つはお稽古しない。
今日は案の定、数回も手が止まる、真の扱いに慣れてしまった躊躇である。
易しいはずのものがと思うが、思っていたとうりであった。
今日はそれで行台子の特訓をしたのである。
真から行に手を直した。
終わって、眠くなる。
すべて、これで準備は出来たと、伝授は自信がついた。
鏡を見たら、髪がトラ、前回自分でしたのでこれは失礼と床屋に行き、昼寝をと思う。
身だしなみも大事と正法眼蔵にはある。
僧侶がぼさぼさでは、百辺の説教なんとかである。
夜の生徒さんが来るまで、時間があった。
気分よく、神楽坂の食べ歩きと洒落た。
まあ!
一息、英気を養い週末から来週までの茶会の心持を作ろうという訳であった。
やっぱり紀善の御膳しるこになってしまう。
花も団子もである。
見事な牡丹。
もうそんな時期かと驚いた!
神楽坂の入り口にスターバックスが出来た。
いつも生徒さんとくるときは、二階である。
今日は初めて一人で一階のカウンターに座る。
目の前は飯田橋の交差点がよく見えたが、なんだかたった一人で老人が座る場所ではないなと思うとコーヒーもそこそこに出てきた。
お腹が空いたので中華屋さんにいくと、なんとこれだけのものを食べきればお代はいらないという。
店内には、たくさんの達成した方のしるしがあった。
もちろん、私には無理。
今日の生徒さんは、そろそろ一年。
炉のお濃茶も変化形に入る。
休まず、コツコツお稽古するのは何と言っても実力の付くものである。
忙しい中に頑張ってくれるので、私の方が頭が下がるのである。