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金持ちクラブが勝てない Jの特殊性(3月1日)
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【大リーグ】黒田、昨年8月以来自身5度目の完封 シンカーさえ、ゴロで18アウト2013年4月16日 紙面から ◇ヤンキース3−0オリオールズ【ニューヨーク穐村賢】事実上の“二塁も踏ませない”快投だった。ヤンキースの黒田博樹投手(38)は14日(日本時間15日)、地元でのオリオールズ戦で9イニングを5安打無失点、5奪三振に抑える完封で今季2勝目(1敗)を挙げた。黒田の完封は昨年8月14日のレンジャーズ戦以来で自身5度目。無四球のおまけ付きだった。決め球シンカーの切れ味が鋭く、27アウトのうち、併殺を含め18アウトをゴロで稼ぐ真骨頂だった。黒田と投げ合った元竜戦士の左腕チェン・ウェイン(27)は6イニングを6安打3失点も打線の援護がなく、3度目の先発で今季2敗目(勝ち星なし)となった。 マウンド上での冷静さが売りの男が珍しく感情をあらわにした。「たまには(ガッツポーズも)しますよ、そりゃ。大事な所だって分かっていたし、走者を出しても、粘ればゲームの流れも変わってくる」。笑顔を交えて振り返ったのは完封を意識し始めた8回1死一塁の場面。1番マクロースを遊ゴロ併殺打に打ち取ると、胸の前で何度も右拳を固く握った。 打撲した右手中指に不安を抱え、制球に苦しんだ前回までの登板とは見違え、この日は“宝刀”シンカーがさえわたった。「最初の打者(1回先頭マクロース)の凡打の仕方を見て、イメージに近いボールというのはあった。困ったときにツーシーム(シンカー)という配球だった」と手応えを感じると、スライダーを見せ球に、ホームプレートの端から端までいっぱいに使った投球で揺さぶる。最後まで相手に的を絞らせなかった。 圧巻だったのは4回。内角のボールゾーンからストライクゾーンに入るシンカー、通称“フロントドア”で3番マーカーキスを見逃し三振に切って取ると、打率4割5厘、6本塁打と絶好調の5番デービスも同じボールで見逃し三振。デービスが思わずのけ反るほどの切れだった。 オリオールズの打者が二塁に達したのは9回だけ。1死一塁でジョーンズの緩い三ゴロの間に、一走マーカーキスが二進したときだけだった。走者を出しても併殺で切り抜けるなど、危なげない投球を披露した黒田に、ジラルディ監督も「シンカーが素晴らしかった。制球も良かったし、彼は投球術というものを心得ている」と目を細めた。 節目となる一つの数字も達成した。この日は黒田にとって先発150(登板151)試合目。「5年ちょっとでっていうのは自分にとってすごく大きな数字じゃないかな」と黒田。けがなく、1年間先発ローテを守ることに価値を見いだす男にとっては最高の“勲章”で、普段は数字や記録に無関心な男も自然と相好を崩した。 先発3番手ペティットが腰痛、5番手ヒューズもけが明けでピリッとしない投球が続くが、38歳の鉄人が混戦ア・リーグ東地区を勝ち抜く原動力となる。 PR情報
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