13日の新潟戦前半、チーム2点目のゴールを決め喜ぶ田中輝(中)=豊田スタジアムで
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リーグ2戦連続得点中の名古屋グランパスのFW田中輝希(20)が“永井超え”をめざす。昨オフにベルギー1部リーグのスタンダールに移籍したFW永井謙佑(24)は、昨季チーム最多の10ゴールを挙げ、海外移籍を実現させた。田中輝は初ゴールの前にベルギーからアドバイスをくれた永井に感謝しつつ、「アニキを超えられるようにがんばりたい」と、どん欲なストライカー魂を見せた。
ブレークの気配漂う20歳の若武者が、強烈なインパクトを残してグランパスを旅立った先輩超えを掲げた。昨季永井が挙げた10得点は一線級FWの指標。田中輝は「そこまで取ったら永井さんも僕を認めざるをえないと思う。アニキを超えられるようにがんばりたい」と言い切った。
実は田中輝の連続ゴールの陰には、永井からのアドバイスがあった。3日のナビスコ杯FC東京戦後、ナビスコ杯3試合に先発して点を挙げられなかった田中輝に、ベルギーから連絡が入った。「何も考えないで自然にやってれば、いつか入るよ」。この実に永井らしいひと言で、気持ちが楽になったという。
そしてその直後、6日の柏戦の前半3分にJ初ゴール。試合を終えて携帯を見ると、ゴールから約10分後の午後5時16分に「初ゴールおめでとう」と永井からのメッセージが届いていた。「すごく気にしてくれていたんですかね」と感謝した田中輝。ただ新潟戦での2点目の後は特に音沙汰なしで、「もういいやってなったんでしょうね」と笑った。
そんな気まぐれな先輩の抜けた穴を埋めたい気持ちは強い。「10点は遠いっすよ」と苦笑いしたが、現在6節を終えて出場3試合で2得点。今後はマークも厳しくなるとはいえ、昨季の永井を超えるのは十分可能なペースだ。
「連戦だったのできつかった。でもだいぶ慣れました。自信もついてきました」と手応えを語った田中輝。急上昇する成長曲線を止めなければ、ベルギーのアニキも感心してくれるはずだ。 (宮崎厚志)
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