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2013年4月16日(火)付

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北朝鮮問題―米中は連携を深めよ

米国のケリー国務長官が、きのうまで韓国、中国、日本を訪れた。2月の就任後初の東アジア歴訪は、出口の見えない北朝鮮情勢が主題になった。北朝鮮を核保有国とは決して認めず、朝[記事全文]

維新の敗北―大阪越え、いまだ遠し

日本維新の会にとって、大阪府の外で支持を広げるには、乗り越えるべき壁はまだ厚い。その現実が、くっきりと見えた選挙結果となった。維新が、府外で初めて首長選にのぞんだ兵庫県[記事全文]

北朝鮮問題―米中は連携を深めよ

 米国のケリー国務長官が、きのうまで韓国、中国、日本を訪れた。2月の就任後初の東アジア歴訪は、出口の見えない北朝鮮情勢が主題になった。

 北朝鮮を核保有国とは決して認めず、朝鮮半島の非核化の目標をめざし続ける姿勢で各国と一致。韓国と日本には、北朝鮮から攻撃があれば防衛の義務を果たす意思を確認した。

 一方、北朝鮮に向けては、韓国とともに対話の用意も示した。金正恩(キムジョンウン)第1書記が振り上げた拳をおろしやすいよう、融和の誘い水を送った形だ。

 米国としては、同盟関係にある韓国と日本が過剰な反応に走らないよう自制を促す意味もあった。

 その点も含め、日米韓が足並みを整えたことは意義があったといえよう。

 今回、とりわけ注目されたのが北朝鮮に影響力を持つとされる中国で、習近平(シーチンピン)国家主席らと会談したことだ。

 「アジア重視」の対外政策を掲げるオバマ政権にとって、中国の動向は重大な関心事だ。北朝鮮問題は、習体制とどこまで協調できるかを占う試金石でもある。

 習主席らとの会談で、長官は中国が北朝鮮への説得を強めるよう求めたものとみられる。

 会談後、長官は「中国は北朝鮮と意思疎通していることが確認できた。中国が朝鮮半島の非核化に真剣なのは疑う余地がない」と語った。

 米中ともに朝鮮半島の不安定化を望まないにもかかわらず、これまで互いに疑心暗鬼という面があったことは否めない。

 中国から見れば、米国が北朝鮮問題を口実に、軍事演習やミサイル防衛網の強化で日韓などと「対中包囲網」づくりに動いていると映る。

 かたや米国にすれば、中国は本気で北朝鮮を制御していないという不信感があった。

 今回の会談で、こうしたわだかまりが一気に解けたとは思えない。とはいえ、中国以外に北朝鮮の暴走を止められる国はなく、その中国の背中を押せるのは米国しかない。朝鮮半島の安定のためには米中の協調が不可欠だ。

 北朝鮮がこれ以上、挑発行為を繰り返さないよう、この問題で米中が連携を強化することを期待したい。

 ケリー長官は1月の米上院で、米国のアジア政策は中国から包囲網とみられないような「思慮深さ」が必要と唱えた。

 北朝鮮をどう動かすか。新たな段階に入った米中の連携がカギを握る。

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維新の敗北―大阪越え、いまだ遠し

 日本維新の会にとって、大阪府の外で支持を広げるには、乗り越えるべき壁はまだ厚い。その現実が、くっきりと見えた選挙結果となった。

 維新が、府外で初めて首長選にのぞんだ兵庫県伊丹・宝塚両市の市長選で、公認候補がいずれも現職に大敗した。

 大阪府市のダブル選を制し、昨年の衆院選でも府内の小選挙区で全議席の3分の2を獲得した。夏の参院選に向けて勢いをつける狙いが、裏目に出た。

 「大阪の改革を全国へ広げる」が維新の合言葉だが、ほど遠い状況だ。原因は何か。

 維新の幹部は「橋下徹代表の名前だけでは勝てないという課題が浮き彫りになった」と話した。橋下氏も「大阪で多くの議席を得たのは、大阪できちっと活動をしていたから」としたうえで、他府県ではそういう活動がないことにふれ、「基礎的な政治活動がなければ、簡単に有権者の皆さんは応援してくださらない」と述べている。

 その通りだと思う。自治体財政が危機に陥る中、既得権益とつながる行政のむだをなくし、国と地方の役割も根本から考え直す――こうした結党の原点や実績が、太陽の党と組んで国政進出したせいで、改憲論やタカ派的な主張にばかり注目が集まり、見えにくくなっている。

 足元の大阪での改革に立ち戻り、その成果と問題提起を全国に発信する。維新が地方主義の本懐をとげるには、そうした試みが最優先課題だろう。

 その際、維新が描く自治体の未来像の「負の部分」に対する丁寧な説明も求められる。

 伊丹市では、橋下氏が大阪府知事時代に打ち出した、地元の大阪空港廃止論を現職が争点化し、廃港による経済の停滞を懸念する住民の支持を集めた。宝塚市の現職は、維新の大阪都構想の結果、ふるさとが大阪に吸収されかねないと訴えた。「私たちの歴史や文化が壊される」との演説に拍手がわいた。

 改革のために強い広域自治体をつくり、都市の競争力を強める――この維新の主張を具体化すると、明日の暮らしや、積み上げてきた地元の文化が損なわれるのではないか。そんな不安を多くの人が抱いている。

 橋下氏はたびたび、強い言葉で仮想敵をつくり、人々の耳目を集めることで支持を広げてきた。だが、こうしたやり方は一時の喝采をもたらしても、広く深い共感を生み出せない。

 暮らしの未来を丁寧に語る努力が足りないままでは、維新の大阪越えの道はますます険しくなることだろう。

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