済州島虐殺の風化許さない 在日作家、監督が討論へ韓国の済州島で1948年4月3日に起きた武装蜂起を機に、島民数万人が軍や武装勢力に虐殺された「4・3事件」の犠牲者を追悼し、教訓を語り伝える集会が26日、東京都荒川区の日暮里サニーホールで開かれる。 島にルーツを持つ朝鮮籍の作家金石範さんと梁石日さん、映画監督の崔洋一さんが鼎談する。 事件は過去の軍事政権が「共産主義者の暴動」と規定し、遺族も「アカの家族」と扱われ長年慰霊行事も許されなかった。民主化を経て究明調査が始まり、2003年になって政府が国家権力による過ちと認めた。 金さんは50年代から事件を題材に小説を書き、主催の「済州島四・三事件を考える会」は88年から行事を重ねてきた。こうした在日コリアンや日本人の活動は真相究明の先駆けにもなった。 ただ韓国では08年の李明博政権誕生後、保守派から前政権下での「歴史の見直し」を批判し、事件の評価“再見直し”を求める声まで出ている。 金さんは「真相究明でようやく島民は肉親を殺されたことを悲しむ“自由”を手にしたのに、また取り上げようというのか」と憤り、事件後も続いた悲惨な歴史を訴えたいという。問い合わせは出版社「新幹社」、電話03(5689)4070。 【共同通信】
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