イルカ:「はるか」死ぬ 和歌山・くじらの博物館で飼育
毎日新聞 2013年04月04日 21時01分(最終更新 04月04日 21時13分)
和歌山県太地町立くじらの博物館で飼育されている雌のバンドウイルカ「はるか」が4日、死んだ。はるかは後ろ脚の可能性がある腹ビレの骨格が見つかったことで知られる。研究している東京海洋大大学院の加藤秀弘教授が明らかにした。
はるかは06年に同町沖で捕獲された。生殖器と肛門の間に1対の腹ビレを持つ。加藤教授らの研究グループは11年11月、エックス線撮影で腹ビレの中に左右各約10個の骨を確認したと発表。腹ビレは進化の過程で不要になって失われた後ろ脚の可能性があり、鯨類の進化の謎に迫る個体として注目されていた。
今年1月から水槽に雄イルカを入れ、繁殖が期待されていた。加藤教授によると、はるかは先月20日に体調を崩してえさを食べなくなり、翌21日に血尿が出始め、治療を続けていたという。【藤原弘】