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地方
くじらの博物館 腹びれイルカ病死 研究チーム会見 和歌山
2013.4.6 02:07
■「はるか」遺伝子継承できず残念 今後、遺伝子研究やiPS細胞作製も
太地町立くじらの博物館で飼育されていた世界でも例のない腹びれがある雌のバンドウイルカ「はるか」が死んだことを受け、研究チームの責任者を務める加藤秀弘・東京海洋大大学院教授らが5日、同博物館で記者会見し、「はるかの遺伝子を次世代に残せず残念」と語った。研究チームは今後、はるかの細胞をもとに遺伝子の研究やiPS細胞(人工多能性幹細胞)の作製などを進めていくという。
加藤教授らによると、はるかは先月20日にエサを食べなくなり、翌21日から血尿が出るなど体調を崩した。鴨川シーワールド(千葉県)や沖縄美ら海水族館(沖縄県)の獣医師も加わり治療を続けていたが、4日に泳ぐ力をなくす際にみられる立ち泳ぎをするなど、体調が急変し死んだ。死因は多臓器不全だった。
はるかの子孫を残すため1月から雄のイルカを同じ水槽に入れており、繁殖が期待されていたが、加藤教授は「妊娠は確認できなかった。はるかの遺伝子情報がどう継承されていくか、研究の上ではるかの子供は重要だった」と述べた。
はるかは冷凍保存されており、研究チームは背びれ付近の肉片を採取し遺伝子解析を進めるほか、学術解剖やiPS細胞の作製にも乗り出す。また、骨格標本などを作るためシリコンで型を取ったという。
加藤教授は「近く研究チームの緊急の会合を開きたい。1年以内にこれまでの研究を総括できればと考えている。また、一般の人にも分かりやすい講演会も開いていきたい」と話した。
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