なんか書きますかね...。
外も嵐だし、静かだし。
ジョジョの話をスルーしてたんで少しだけ。
荒木飛呂彦作品ってずーっとすごいですよね。
※以下、特に理論とか論拠とかないです
過去の作品、短編を見ても奇想に溢れてる。
魔少年ビューティ、バオー来訪者、ゴージャス☆アイリン。
好きで全部読んでる。
ジョジョ立ち・表現
ジョジョ立ちってのがあると思うんですが。
あれって冷静に見たら充分おかしい。
「そうかな」
ズアッ。
かなりおかしい。
左手がスタン・ハンセン。
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でも気にならない。
いや、気になるんだけど「なんでやねん」ってツッコむ気にまでならない。
なんで読んでて気にならないかって言うと「説得力」があるから。
「このゲームで、この花京院典明に精神的動揺による
操作ミスは決してない!と思っていただこうッ!」
セリフと絵柄によって作り上げられる世界観。
荒木飛呂彦ってどちらかというと仰々しいんですよ。
ババーン
って書いちゃうような。
上の画の「ズアッ」って音としては本来鳴らない。
でも荒木飛呂彦の中にこの花京院の出方には「ズアッ」ってイメージがある。
だから書いちゃう。
普通、背景効果で処理してしまうようなレベルの音も文字化して書いちゃう。
荒木飛呂彦って映画とか映像の人だから脳内で還元した世界を紙に表現してるんだろう。
効果音を字にする、んじゃなく雰囲気を文字にして表現する。
ゴゴゴゴ...ってホラー映画なんかにあるような不協和音。
暗くて重い音が可聴域ギリギリで鳴ってるような。
「ジョジョの奇妙な冒険」に多用される“擬音語”は、作品の特徴のひとつだ。「ドドドドド」、「ゴゴゴゴゴ」という擬音語を用いたことについて荒木さんは「ホラー映画からきている」と明かす。ホラー映画の効果音を漫画で表現しようと、あの独特な擬音語が考え出されたのである
歌舞伎の見得とジョジョ立ちって近いもんだと思う。
過剰に表現していてもその表現がその世界ではリアルに感じる。
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物語内の「リアル」って必ずしも現実に則している必要はないんですよね。
読者に「現実感を感じさせる」それがリアル。
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コマ割りの話もしたいんだけど、荒木飛呂彦のコマ割りってとても変わってる。
・荒木飛呂彦の奇妙なコマ割り/メビウスラビリンス
http://moebius.exblog.jp/6209517/#1
こちらが詳しいので是非読んで欲しいけれども。
荒木飛呂彦の感覚的な作風が全体に現れてるんだとおもう。
映画を観て、映画を撮るような感覚で。だから擬音も言葉になって描き込まれ、コマ割りも感情や表現や認識する意志によって歪むと言うか。
世界の中に人(キャラ)が存在するんじゃなく、キャラ(意志)が世界を作っているような。
そういう捉え方の気がする(気がするだけかも知れない)。
幽波紋~スタンド~
初期のジョジョは確かに「奇妙な冒険」だったんですよね。
吸血鬼と戦って。
そしてそこにツェペリが出てくる。
黄金色に輝くオーラ。呼吸法で生まれる太陽のエネルギー。
波紋っていうアイデアはそれまでのマンガにもあったような表現の延長。
ただ手から塊にして発射するだの、そういうのは無い。
理由づけとして「仙道」って言う既存の概念も持ち出してる。
『スター・ウォーズ』とか『ロード・オブ・ザ・リング』みたいなのだけをファンタジーとは言うのではないと思うんです。僕はクリント=イーストウッドの映画はファンタジーだと思っているんですよ。『グラン・トリノ』とかそうだけど、リアリティの中にありえない要素が出てくる。人が死ぬのはリアリティだけど、たとえばその死に方のあり得なさがファンタジーだと思ってるんです
それが「スタンド」って能力が登場する。
どこかのインタビューで超能力を擬人化(具現化)したものと言う風な事を答えてたと思うんだけど、
「波紋」の表現はそこまで革新的じゃないんですよね。
オーラが見えるとか、呼吸で生み出すとか。
そうじゃなくその超能力って言う漠然としたものでは無く
「力の集合で出来た形としてそこにいる存在」
を画にしちゃったって発想が凄い。
意志の強さだから既存の大きさが無く大きくもあれば小さくもある。
普通のマンガだったらキャラの「超能力」になっちゃうものに、名前と擬人化のキャラを付け足した。
で、超能力なら制限があるのをそもそものスタンドに制限をまず付けた。
遠距離方はパワーが弱く、近距離型はパワーが強い、とかね。
「スタンドはこういうモノなんだ」
だから無敵じゃない。弱点がある。
それにしてもバイツァ・ダストとかメイド・イン・ヘブンぐらいの強さになると...。
奇妙な冒険
Title | 血統 | DIO | 吸血鬼 | 波紋 | スタンド | 弓と矢 |
ファントムブラッド | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
戦闘潮流 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
スターダストクルセイダース | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ |
ダイヤモンドは砕けない | ○ | △ | × | × | ○ | ○ |
黄金の風 | △ | ○ | × | × | ○ | ○ |
ストーンオーシャン | ○ | △ | × | × | ○ | ○ |
スティール・ボール・ラン | △ | △ | × | × | ○ | × |
ジョジョリオン | ? | ? | ? | ? | ○ | ? |
こうやって並べると前半重要だった吸血鬼は後半居なくなくなって、入れ替わりにスタンドが登場する。
波紋は吸血鬼に対するエネルギーだから吸血鬼には効かなさそうだけど。スターダストクルセイダースでDIOがボコられてるんで物理ダメージはあるって事でしょうか。
で、スターダストクルセイダースで完全死亡したはずのDioの影がその後も出てくる。
骨とか、息子とか。
それぞれの間の道具や要素が違ったり、それぞれの世界観が違って、それでも「ジョジョの奇妙な冒険」っていうシリーズを構成してる。
これってすごい。
ドラゴンボールみたいにね、息子、孫まで出して、孫と一緒に旅に出たりしてw
まぁそれはそれで(色んな意味で)凄いのかも知れないけど、「ジョジョの奇妙な冒険」ってそれぞれの物語を隔絶させておきながらそれぞれが繋がってる。
幾つもの重要なキーワード(人物、物、場所)をちりばめて、そのキーワードで関連付けをする。
こうやってみればわかるように吸血鬼とかっていうのは要素の一つなんすよね。
例えパラレルワールドになっても「ジョジョvsDIO(もしくはその影響など)」なんすね。
ファントムブラッド | ジョナサン・ジョースター | ディオ・ブランドー |
戦闘潮流 | ジョセフ・ジョースター | カーズ |
スターダストクルセイダース | 空条承太郎 | ディオ・ブランドー |
ダイヤモンドは砕けない | 東方仗助 | 吉良吉影 |
黄金の風 | ジョルノ・ジョバァーナ | ディアボロ |
ストーンオーシャン | 空条徐倫 | エンリコ・プッチ |
スティール・ボール・ラン | ジョニィ・ジョースター | ファニー・ヴァレンタイン |
最後の敵は三部まではDIO、でもそれ以降は微妙ですね。
吉良吉影とディオの繋がりはかなり薄そう(無いか?)。
手元にジョジョが無いんで何ともですけど。
ディアボロじゃなくジョバーナがDIOの関係者だし。
ジョースター家の血族は直接絡んでない。
“黄金の風”は外伝的位置だし良いのかも知れんけれど。
プッチはDIOの遺志を継ぐものだからいいとして、
ヴァレンタインは、ディオの血族でも関係者でもない。
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ディオ・ブランド― | ザ・ワールド |
吉良吉影 | キラークイーン→バイツァダスト |
ディアボロ | キングクリムゾン |
エンリコ・プッチ | ホワイトスネイク→Cムーン→メイド・イン・ヘブン |
ファニー・ヴァレンタイン | Dirty deeds done dirt cheap→ラブトレイン |
ラスボスとスタンド一覧。
矢印は変化もしくは能力覚醒。
キングクリムゾンは一形態なんだけど能力は2つなんすよね。
近未来予知と時間を弾き飛ばす能力。
普通のスタンドは大体能力一個なんだけど、ラスボスは新しい能力に目覚めたり、変化したりバリエーション豊富。
特にプッチは凄まじい。
それにしても
ザ・ワールド:時間を止める
キラークイーン:時間を繰り返す
キングクリムゾン:時間を跳ばす
メイドインヘヴン:時間を進める
ラブトレイン:空間を越える
全部時空間超殺法。
対抗してジョジョも時間を止められるようになったり、空間に入れたりするようになる。
キングクリムゾンに対抗してゴールド・エクスペリエンス・レクイエムに変化したり。
そう考えるとプッチを倒した徐倫はちょっと異色。
敵スタンドの能力差があり過ぎだし、ストーンフリーは最後までストーンフリーのまま。
倒したのも徐倫じゃなくエンポリオだし。
ここで世界は一巡したんだな。
だからSTB世界だし、ジョジョリオンの杜王町とダイヤモンドは砕けないの杜王町は違う。
D4Cとかラブトレインとかもう読んでて
「とりあえずなんかよく判らんけど凄そうだ!」
ってとりあえず読み進んで。
でも、あとできちんと読むと理屈があるんですよね、世界の中に。
なんでもありだけどなんでもありじゃない。
宇宙が一周したからジョジョvsDIOの関係性も薄れたのかも知れない。
思いつくままの雑文でした。
そーいえばJORGE JOESTAR読んだのにブログに感想書いてない...はて。
もう一回読むにはしんどいですねぇ。
完成度的にディスコ探偵水曜日なら読み返しても良いけど。
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んで、そんなジョジョリオン4巻の発売日は5月17日だそうです。
愉しみに待ってます。
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