原発事故から2年経って、人の心は変わっていきますが、セシウム137の半減期は変わりません。土から穫れる食材は土壌が汚れていれば、どうしても汚染されてしまいます。「被曝と戦う」と言っても、人間の体は毒物が入れば打撃を受けます。
そこで、2年経って、食材はどうか、民間で食材の汚染を調べていただいている複数の方から情報を頂きました。国や農水省が「大丈夫」というなか、民間の測定の方が本当に頑張っておられます。今回はCRMS 市民放射能測定所 福島さんの情報です。
このグラフが一番、的確と思います。福島県の測定ですから、強く汚染されているという事になりますので、これでおおよその危険性がわかると思います。離れているところはこの状態より安全と思ってください。
かなり危険・・・・・・・・
「野生キノコ、原木シイタケ、イノシシ肉、クマ肉、海底のサカナ(ヒラメなど)、川魚(アユなど)、栗、ユズ、コゴミ、タケノコ、干し柿、切り干しダイコン
危険・・・・・・・・・・・
キウィー、ブルーベリー、フキノトウ、コシアブラ、タラの芽、セージ、ローリエ、タイム、ミント、大豆、小豆、ツルムラサキ、ほうれん草、小松菜、菜の花、茎立ち菜、レンコン、芋がら
このうち、特に最近、汚染が目立つ食材が多くなってきたのが国産大豆です。宮城県の大豆が90ベクレル(1キロ)、その他の地方でもかなりの汚染が見られます。また柑橘類はかなり安全になってきましたが、タケノコは神奈川県でも数ベクレルはでるようです。
また、かつて注意を要したのに、最近は安全になったもの・・・
豚肉、鶏肉、リンゴ、ナシ、シソ、玄米、白菜、ジャガイモ、ヤーコン、ダイコン、ニンジン、タマネギ、なす、トマト、キュウリ、イチゴ
という感じです。食材の種類と全体の危険性は棒グラフが上の方にあるものはやや危険、下の方にあるものはやや安全ということです。たとえば、キノコ類や肉サカナは注意が必要、野菜はかなり安全という感じです。
また、このブログでくり返していますが、たとえば「赤痢」などの病気ですと、食材にばい菌がついているとそれが体内で殖えるので病気になりますが、放射性物質は殖えないので、「平均値」になります.その意味で、産地が福島や東北、関東のものばかりではなく、平均的に西日本や北海道のものを買うことも大切です。
まれに汚染されたものがあっても、平均になりますから。また、福島の子どもたちの内部被曝が少ないとの報道がありましたが、体内の放射性物質はそれほど正確には測定できません。その意味で、国のお金をもらっている東大が誠意のない測定をしていると私は判断しています。
今回の場合、どのような裏取引が行われたかはわかりませんが、このような時、先輩後輩で電話が来て「反対派が福島の被曝を騒いでいるので、ちょっと測定してくれないか。金は出すから」ということになり、それを東大の先生が請け負うという関係です。税金ということは忘れています。
もし「福島の子どもたちの被曝が少ない」というなら、土壌の汚染はどうなったのか、食材への移行係数はどうか、体内の滞留はなどを明らかにしてこそ大学の調査ですが、単にいい加減なボディーカウンターなどの測定をしただけのようで、学問的説明がありません。東大のも地に落ちたものです。
ところで、民間の測定で、千葉県柏の測定所、文鳥姉さんのページ、マダムトモコの厚労省日報ダイジェスト、朝田さんのプロジェクトなどからの情報も次回に提供します。まずは全体像をこのグラフから見てください。
(平成25年4月11日)
武田邦彦
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