【動画】兵庫・淡路地震の爪痕=熊倉隆広撮影 |
シートで覆うなど、地震で崩れた屋根の応急処置をする人たち=13日午後4時6分、兵庫県洲本市、朝日新聞社ヘリから、森井英二郎撮影 |
【川田俊男】13日早朝にあった兵庫県の淡路島付近を震源とする地震は、「未知の活断層」が引き起こした可能性が高い。震源の位置や余震の分布などが、既知の活断層と一致しないと複数の研究者が確認した。
周辺の活断層に詳しい岡田篤正・京都大名誉教授はこの日午前、本社ヘリで淡路島の震源域を上空から調べた。「気象庁が示す震源の位置や断層の向きなどから推定される場所に、活断層を示すような明瞭な地形は見あたらなかった。これまで知られている活断層ではなく、未知の活断層が動いた可能性がある」と指摘した。
また、遠田晋次・東北大教授(地震地質学)によると、淡路島中央部には今回の地震を起こした断層と向きが同じ既知の活断層が一つあるが、今回の余震分布はそこから5〜6キロ離れていて、一致しなかった。
余震分布を解析したところ、淡路市江井にある江井崎から南へ約10キロの範囲内に、知られていない短い活断層が存在する可能性があるという。「六甲・淡路島断層帯」のうち、国の地震調査委員会が認定している活断層の中にはみあたらない。
一方、今回の地震について、多くの専門家が阪神大震災の「余震」の可能性があるとみている。震源が阪神大震災を起こした野島断層の南端の周辺にあり、ひずみが伝わるなどの影響が及んだとみられるからだ。過去には、大地震の数十年後にマグニチュード(M)6を超す余震が起きたこともある。
飯尾能久・京大教授(地震学)は「もともと、今回のようなM6の前半の地震は地表面にずれなどの地形変化を生じさせることはあまりない。地表面に出ていなくても、今回ぐらいの地震を引き起こすような断層はどこにあってもおかしくないという前提で、防災対策を考える必要がある」と指摘する。
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朝日新聞社会部