萩野が５冠達成　史上初の快挙

　▽世界選手権（７〜８月、バルセロナ）選考会を兼ねる▽第３日▽１３日▽ダイエープロビスフェニックスプール（新潟県長岡市）▽男女２００メートル個人メドレーなど決勝９種目

　ロンドン五輪４００メートル個人メドレー銅メダリストの萩野公介（１８）＝東洋大＝が４００メートル自由形を３分４５秒４２で、２００メートル個人メドレーを１分５５秒７４の日本新記録で制し今大会５冠を達成。萩原智子と松田丈志が持っていた４冠を上回る史上初の快記録を打ち立てた。萩野は最終日の２００メートル背泳ぎで６冠に挑戦する。女子５０メートル背泳ぎでは寺川綾（２８）＝ミズノ＝が２７秒５１の日本新記録で優勝した。

　速い、強い。グングン後続を引き離す。２００メートル個人メドレー決勝。最後は後続に３秒近い大差をつけフィニッシュし５冠達成だ。「初めてというのは非常にうれしい」。日本水泳界に新たな歴史を刻んだ１８歳は、満面の笑みで喜んだ。

　怪物ぶりはこの日も健在だった。まずは４００メートル自由形。「最初の１００メートルはスタートの勢いを生かして、そこからペースアップするつもりだったけど予定より速かった」。スペシャリストを向こうに回し、日本新に迫る勢いで突き進んだ。「死ぬほど頑張れば日本新も出たかも」。それでも悔しさはみじんも見せず、４０分後の個人メドレーへ向かった。

　驚異的なスタミナを支えているのは食欲だ。東洋大の平井伯昌監督は「フェルプスもそうだけど、ものすごい食べる」と言う。３冠を達成した前夜もカレー大盛り２杯をペロリ。萩野も「カレーのおかげで今日も（体力が）もったと信じている」とあっけらかん。夕食だけで１４００〜１５００キロカロリーと、成人男性の１日分に近い量を摂取。「カロリーを気にしながらビタミンなどもバランス良く」と栄養にもしっかり気を配っている。

　大会前から目標に掲げていた６冠に、ついに王手をかけた。「自分らしいレースでいいタイムを出したい」と誓った。　（川村庸介）