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【スポーツ】

真央 来季限りで引退 花道はソチで金

2013年4月14日 紙面から

来季限りの引退を固めたからか採点を待つ間も日の丸の前でおどけた表情を見せる浅田真央=国立代々木競技場で(内山田正夫撮影)

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◇国別対抗フィギュア<最終日>

 ▽国際スケート連盟主催の団体戦▽最終日▽13日▽東京・国立代々木競技場▽日本、カナダ、アメリカ、ロシア、フランス、中国が出場▽女子フリー、ペアフリー

 フィギュアスケート女子の浅田真央(22)=中京大=が13日、ソチ五輪のある来シーズン(2013〜14年)限りで引退する意向を示した。東京都内で行われた世界国別対抗戦で5位に終わった後、来季を「スケート人生の集大成」と位置付けた。フィギュア界、日本スポーツ界のヒロインが、ソチでの金メダルで花道を飾る。

 心の中は決まっているようだった。この日の演技を終えて取材エリアに現れた浅田。来季への意気込みを聞かれると、こう答えた。

 「五輪という最高の大きな舞台。そこで集大成としていい演技ができるようにしたい。今の時点ではメダルよりもスケート人生の中で最高の演技をするのが1番の目標です」

 五輪を集大成に。その言葉が示す意味は−。表彰式を終えて帰りのバスに乗り込む間際、「競技人生の集大成か」と問われると、はっきりとこう言い切った。

 「はい。今はそう思っているので、そのつもりでやっていきます。今は一応そのつもりです」

 来季限りでの引退を示唆した。今年に入ってからそう考えるようになったという。今後、気持ちが変わる可能性もある。それでも迷いがあるようには見えなかった。演技へのこだわりを口にする一方で、こう言ったのが象徴的だった。

 「もし五輪に出られたらメダルも目指したいし、いいメダルの色が欲しい。そのためにも最高レベルで最高の演技を見せたい」

 この日のフリーは冒頭の3回転半ジャンプが2回転半になった。連続3回転ジャンプも回転不足。その後もミスが目立った。117・97点、総合177・36点で5位。演技を終えると、しばらく目を閉じて疲れきった表情を見せた。

 「ちょっと今までにないくらい苦しかった。体も足も呼吸も苦しい中で後半は滑っていた。きょうのような演技ではいけない。気持ちを切り替えて次に進みたい」

 この日はシーズンの疲れもあったのだろうが、来季への手応えはある。今季は2月の四大陸選手権(大阪)で2年ぶりに3回転半ジャンプを決めて優勝、3月の世界選手権(カナダ)では3位。2年ぶりのメダルを手にした。「以前の自分に戻って来つつある」と話す。

 ライバルの金児(キム・ヨナ、22)=韓国=は既にソチ五輪限りでの引退を表明している。最後のシーズンはかつてない注目を集める。

 「昨年はこの時期もずっと休んでいたけど、すぐにスタートしないといけない。所々で休養して次のシーズンに臨みたい」

 15歳で05年のグランプリ・ファイナルを制し、10年のバンクーバー五輪で銀メダリスト。世界選手権を2度制覇。全日本選手権も6度の優勝を誇り、11年12月には母・匡子(きょうこ)さん死去の悲しみを乗り越えて日本一に。

 空前のフィギュアスケートブームをもたらした日本スポーツ界のヒロインは、最高の形で現役生活を締めくくるべく、前へ進む。(高橋雅人)

 

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