衣浦港について
衣浦港の概要
衣浦港は、知多半島と西三河地区に囲まれた南北約20kmの細長い形状の港で、5市3町(半田市・碧南市・刈谷市・西尾市・高浜市・東浦町・美浜町・武豊町)にまたがっている。
南北のほぼ中央部には港の中枢である中央ふ頭があり、東側の碧南市と西側の半田市からそれぞれ突き出たような形で配置されている。また、中央ふ頭の東地区と西地区は海底トンネルで結ばれ、衣浦港の東西を結ぶ交通の要となっている。工業用地の造成や施設整備の進捗に伴い、臨海部には輸送機械や製鋼所などの製造業や発電所などの基幹産業を中心とした企業が進出し、知多・西三河地域の流通拠点としてのみならず、高次加工型産業を中心とする工業港として発展した。
本港の背後である知多・西三河地域は機械工業を中心とする高度産業集積に特色があり、今後はこの技術集積を基盤として先端産業分野に関する高度技術産業拠点の形成が期待されている。
衣浦港港湾計画の基本方針
平成20年代前半を目標年次とし、以下のように港湾計画の方針を定め、港湾計画が改訂されています。
- 物流需要の増大に対応し、老朽化、狭隘化している港湾施設の再活性化を図るため、既存施設の有効利用及び港内の再編により、物流機能の強化を図る。
- 資源循環型産業を核とした、地域全体の環境負荷低減に資する企業を誘致し、衣浦港内の既存産業と新規産業が連携した産業システムを導入するため、生産空間の創出を図る。
- 港湾における快適な環境の創出を図るため、地域住民が海に親しむことのできる親水空間の確保及び水際線の開放を図る。
- 港内に放置されているプレジャーボートを集約するため、既存施設を有効に活用した海洋性レクリエーション機能の充実を図る。
- 本港及び本港を取り巻く地域の環境保全のため、廃棄物受け入れ空間を確保する。
- 大規模地震災害時の緊急避難及び緊急物資輸送などの対策を進めるとともに、効率的な耐震強化岸壁の配置を図る。
- 港湾と背後地域及び港内の円滑な交通を確保するため、臨港交通体系の充実を図る。
- 多様な機能が調和し、連携する質の高い港湾空間を形成するために、陸域2,000haと水域4,000haからなる港湾空間を以下のように利用する。
- 亀崎地区の亀崎ふ頭周辺、中央西地区、武豊地区の武豊北ふ頭周辺、中央東地区及び外港地区は物流ゾーンとする。
- 亀崎地区から武豊地区及び高浜地区から碧南地区にかけての地区は、生産加工ゾーンとする。
- 東浦地区から中央西地区及び刈谷地区から碧南地区にかけての地区は、緑地レクリエーションゾーンとする。
- 中央西地区及び中央東地区は、交流拠点ゾーンとする。
- 武豊地区南側(1号地)碧南地区南側(2号地)は、エネルギー関連ゾーンとする。
地質
衣浦地域の一般的な地質は、地表より沖積層、洪積層、第三紀層と続き、最上部の沖積層はさらに表層砂層、上部シルト質粘土層、上部砂層という構成を示す。上部シルト質粘土層は、貝化石に富む海域性の軟弱層で上部砂層と共に低地のほぼ中央線に沿い、現海底下の谷を埋めて発達しており、この沖積層の下に洪積層が続いている。
潮流
三河湾の流況について全体としては、ほぼ高・低潮時頃に転流し、下げ潮は湾外に流出し、上げ潮は湾内に流入して高・低潮後3時間後に最強流速になる標準的な流況で、最大潮時は、中山水道立馬崎沖合で最強流速が約0.5m/secに達することがあるが、ほぼ湾口部で0.3~0.5m/sec、湾中央部で0.2m/sec、湾奥部では0.1m/sec程度の最大流速となっている。
鉛直方向の変化は、半日周潮流については海面下1mから7mまで流向流速ともほとんど変化は認められないが、海底上1m層では流速が半分程度に減速されている。
波浪
伊勢湾内における波は、周期は長くても6~7秒程度。また、本港における波浪の計算にあたっては、知多半島により外洋からの侵入波はほとんどさえぎられるため、湾内で発生する波を考えれば十分である。
衣浦港のあゆみ
衣浦港内立地企業
衣浦港内に専用の岸壁を持つ企業
- 浅井産業サービスセンター(株)
- 旭硝子(株)
- 石橋建設興業(株)
- 伊藤忠衣浦埠頭(株)
- JFEスチール(株)
- JAあいち経済連
- (株)ジェイテクト
- 昭和シェル石油(株)
- ダウ・ケミカル日本(株)
- 瀧上工業(株)
- 中部電力(株)
- 東海カーボン(株)
- トヨタ自動車(株)
- 中日本グレーンセンター(株)
- (株)中山製鋼所
- 日本化学工業(株)
- 日本金属工業(株)
- 日本ルーブリゾール(株)
- マロックス(株)
*五十音順、敬称略で、表記させてもらいました。
衣浦港の施設