【台北=鵜飼啓】日本と台湾は10日、台北で第17回民間漁業協議を開き、領海をのぞいて、尖閣諸島周辺での台湾漁船の操業を認める漁業協定を結んだ。台湾も尖閣の領有権を主張しているが、協定の適用範囲を排他的経済水域に限ることで、この問題には踏み込まなかった。
日台は外交関係がないため、民間窓口の日本の交流協会と、台湾の亜東関係協会が取り決めを結ぶ形。漁業交渉は1996年から断続的に開かれてきたが、2009年に中断し、昨年、日本政府の尖閣国有化を機に改めて動き出していた。
協定締結は日本にとって、尖閣問題で台湾との連携を図ろうとする中国を牽制(けんせい)する狙いもある。中国の国務院(政府)台湾事務弁公室の范麗青報道官は10日、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国固有の領土だ」としたうえで、「(中台)両岸の漁民の権益を守るのは、両岸双方の責任だ」と不快感を示した。
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朝日新聞国際報道部