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後付けできるスペースを見るべきなのだ!このけなげな感じが後バの見所。とくにバルコニーの下になってしまって存在意義を失った屋根がいじらしい。
前ページでは住民自ら増築手がけました!って感じの野趣あふれる後バをご紹介したが、DIYであることだけが見所なわけではない。およそ後付けでさえあればすべての後バが愛おしい。
つまり工務店などプロに頼んでもいいと思うのだ。「いいと思う」ってなんでぼくに許可されなきゃいけないんだ、ってはなしだが。 これは絵に描いたような後バ。もっともよく見られるタイプだ。後バのマスターピース。
これも同様の後バスタンダード。
これも。柵の曲線に後バに対するこだわりが窺えてほっこりする。
プロの手による犯行か、DIYか、よりも後バの置かれた環境に注目すべきだと思う。
後付けということはつまり「まさかここにバルコニーが」という予想外の事態。そのポジション取りの妙が後バの醍醐味なのである。たぶん。 上の後バ群は、2階部分のセットバックを利用して、1階の屋根の上に設置、という典型的なケース。 これも同じように1階の屋根に乗ったタイプだが、
この薄さがいい!
作りはかなりしっかりとしたそつのない出来だが、やはりなんといってもこの貴重なスペースへの収まり具合がいい!
これなどは貴重なニッチにすっぽり収まりすぎてもはやバルコニーと呼べるかどうかギリギリのオリジナル作品になっている。間口が狭く奥に深い町屋の中間部分に多く見られる。これは後バとは別のジャンルかも知れない。悩ましい。なんでこんなことに悩まねばならないのか。
一方、こちらは余裕を持った後付け。これまでの物件を見てきた目からすると、どうしてもっと屋根いっぱいいっぱいに展開しなかったのか?と思う。構造的な問題かしら。
これも、どうせなら向かって右の窓の部分にもどーんとつなげて後バすれば良かったのに!と思っちゃう。
こういう、片足しか乗せる屋根がなくて苦労している子を見ると、屋根を生かし切っていないものに対しては、爪を噛んで小焦れる気持ちになるのだ。
これも手前の下には屋根がなく、一生懸命脚を伸ばして立っている例。いじらしい。がんばれ。
かと思えば、こちらは屋根上のスペースをこれでもかとばかりに活用している後バ。あまりに活用しすぎて、結局領空を外れて結局脚を伸ばしている(たぶん構造上の問題だろうけど)。それにしてもすごい。後バ、かくあるべし。
と、このように「どこに乗るか」という点が後バ鑑賞の重要なポイントだと思う。ぼくが家を建てる時は、ほどよく後付けが困難な屋根スペースをあらかじめ作っておきたいと思う。
というか「重要なポイントだ」って、ぼく以外に誰が後バを見るっていうんだろう。というか、誰か読んでますかー?
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