TPP交渉は中国けん制が目的ではない=米次席通商代表
[ワシントン 8日 ロイター] 米通商代表部(USTR)のマランティス次席代表は8日、米国が主導する環太平洋連携協定(TPP)交渉について、中国を経済的にけん制することが目的ではないと述べた。
同次席代表は、講演で「中国を標的とした交渉ではまったくない」と語った。
米国は9月上旬に予定される第14回TPP交渉でホスト役を務める。交渉では、最終的な合意が2013年末までに成立する可能性は低いとみられている。
オバマ政権は、アジア太平洋地域経済を重視する戦略の1つにTPPを位置づけている。
マランティス次席代表は、TPP交渉が大きく前進し、最も難しい問題に直面しつつあると指摘。課題は依然として多いとの認識を示した。
TPP交渉は現在、米国、オーストラリア、ニュージーランド、ペルー、チリ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの9カ国が進めており、数カ月以内にカナダとメキシコが加わる予定。
中国では、米国が中国をけん制するため、TPPを利用してアジア地域の貿易規則を修正しようとしているとの見方が一部で出ている。
次席代表はそうした見方を否定し、TPPは、アジア太平洋経済協力会議(APEC)加盟21カ国の中で、知的財産権やサービス、環境、労働などの分野で想定される高い基準を満たすことに前向きないずれの国にも開かれていると述べた。
また、台湾が最近、米国産牛肉の輸入再開に向けて取った対策を歓迎するとした上で、対策がどのように実施されるかを見極め、今後数カ月間に貿易投資枠組み協定(TIFA)の交渉を再開するかどうかを決定する方針を示した。
米国産牛肉の輸入をめぐる問題を受け、TIFA締結に向けた米国と台湾の協議は数年前から頓挫している。
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