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【競馬サイドストーリー】「馬糞」が「日本酒」になる! 2000頭分の排泄物を有効活用したJRA“エコ商法”のヒット
競馬場でパドックを見ていると多くのサラブレッドがコース上に糞(ふん)を落としていく。係員がホウキで拾っているそれはゴミにしか見えないが、この馬糞を堆肥にした米で日本酒が造られ、話題になっている。そこで興味をひくのが、毎日2000頭分の“良質”の糞を肥料に加工して販売するJRAの“エコ商法”だ。民間ではゾウの糞でリサイクルペーパーをつくる企業が注目されるなど、馬やゾウの糞は思わぬ形で有効活用されている。(田中恵一)
馬糞でつくった日本酒
JRA栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)で“産出”された競走馬の馬糞が日本酒に-というニュースが先ごろ流れた。馬糞を加工した堆肥で育てた滋賀県産米。それを原料に純米吟醸酒を造って、千本を限定販売したというのだ。
立命館大と小西酒造(兵庫県伊丹市)、地元の農業団体がJRAから堆肥を購入し、共同で商品化したもの。競走馬のエサは良質で薬物の排除も徹底しているため最高の肥料になるという。その肥料で育った良質の米が原料だけに、720ミリリットル3150円とけっしてお手頃な値段ではないのに、「勝馬米(かちうままい)」というネーミングもあいまって話題になっている。
もっとも栗東トレセンでは、馬糞を堆肥にすることは数十年前から行っている。それ専用のプラントもトレセン場内にあり、地元農家の間では品質が良好で供給が安定していると人気だ。マッシュルーム栽培や園芸に使われたり、商品化もされてきている。今回の日本酒は、「産学&農」という組み合わせの目新しさとネーミングで話題になったが、手法そのものは決して新しいものではない。
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