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機動戦士アトルミア・ガンダム 『だから、俺は』
作者:陽灼矢地人


 舞台――そこは航宙民間都市船「スターヌァ」、夢のような希望に包まれていた、そう、過去形で幸せであった宇宙船「スターヌァ」に、ある、『ガンダム』にまつわる、辺鄙で矮小な世界が中心である物語。
 そして主人公。――彼の名は伏せる。(なぜ?) いや、名は明かしておこう。彼の名はインンジュラシァ・ポトール。右腕を初めに機械へと改造手術し、また全身のうち、88%を機械化した改造人間だ。

 十一の大聖覇試練-ロノコギツ-、数え切れぬ小さな罪-パパリエスリタス-の数々。インンは罪人であり聖人。

 インンジュラシァ・ポトールは悲願を持っていた。それは遠縁にいた、過去には婚約者であり、今もってかけがえないムトラトム・ショウリ。彼女と『ガンダム』、彼ら彼女らを慕う家族「アインシュタイン・ノベル・パラダイムシフターズ」、彼自身が手を汚した罪を晴らさなければ家族にルイが及ぶ。そんな運命-サダメ-を贖罪せねばならない。そして…。


『アトルミア・ガンダム』は今まさに目覚めの時を待っていた。

 インンジュラシァ・ポトールは「スターヌァ」外殻の超距離観測小型天文台-ユニタ・テラバーシェレィク-に左遷されていた。

『     』-名状し難き空辣の解答-は『対』を探し模索していた。

「インンジュラーシァ・ポトール! インンジュラーシァ・ポトール!!起きな!!ったくタタせやがってよっ!!」
 テラバーの全職員睡眠室-マネラル-でインンジュはムトラトム・ショウリに似た顔立ち、そうムトラの双子の妹ヒトヒトヒ・ショウリ、――性格は姉が聖女ならこちらは単なる馬鹿力の悪女なのだが――に起こされていた。
「んだよ…まだ業務開始のお時間じゃねえだろが…オ/////」
 ヒトヒトヒは「オ」と言ったインンジュのマタにイヤなモノを見てしまった。しゃせー、男性の印を見てしまったのだ。
「オトコってこんなタチ悪ィのしかわたしの周りにいない。orz ……さ、とっとと着替えな。いやその前に」
「お、おおおう!!!wwwwww」
 インジンュラシァ・ポトールは洗浄空間-ウォーター・ポム-にブチこまれた。ここは洗浄の仕方があまりにもくすぐったすぎることで身内で有名なポムポムスペースなのだ……。
「はははwwwwwwwwwwwwうひゃああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwっと、とと、とととw、笑いすぎ笑いすぎだぜ俺…ぷくくく。出よう。ポムポム抜けして、え~--; 着替えして、飯だ飯ぃっ!!!!」
 しかしその「飯」は当分食えなくなる。
『     』が『到来』したのだ――『対』たる『インンジュラーシァ・ポトール』に『     』の触髭-アーテル・コング-が……インンにサワ……と憑いた。
 眼。インンジュラーシァ・ポトールの両目。その瞳に奇怪な代物が写っていた。
「なんですかこれ!?」

 ムトラトム・ショウリは『アトルミア・ガンダム』の最終試験に挑んでいた。彼女以外にもスタッフはいるのだが、この物語の読者であるみなさまが感情移入すると、後々危険な事態に陥るので描写を止めておく。ただ、ただ、人は今回登場する三人以外にも確かに『存在』した、それだけは我らの宇宙にかけて胸に秘めていただければ幸いである。

 テラバーシェレィクは「スターヌァ」外殻レールに乗り遁走していた。奇怪なモンスターに眼をつけられていたのだ。ソイツは空気循環システムを破壊した。副空気循環システムがぎりぎりで稼動していたが、機能停止までは時間の問題であった。
 ヒトヒトヒは述べる。
「インンジュラーシァ・ポトール!! 被攻撃非常時指揮員ヒトヒトヒ・ショウリが命じる! 汝、生命を賭して、『アトルミア・ガンダム』に乗り組み、起動させよ! 繰り返す!! 汝、生命を賭して……!!!! 」
「イェジ・フェゼント!!! 我らが魂の灯火、『スターヌァ』の名に恥じぬ雉の紋章に誓って!! イェジ・フェゼント!!!!!! 」
『アトルミア・ガンダム』のコクピット・ホールへと、インンジュラーシァの乗る『G制御ロケット・バーフィラレーレス号-100681番機』が一目散に飛びこんでゆく。

 テラバーシェレイクはモンスターに生命体『コンタクト(C)-フィアズ』と命名、「スターヌァ」中枢機構-ミエンカ-に可能な限り『C-フィアズ』から収集した情報を転送していた。


『     』-名状し難き空辣の解答-は『対』を探し模索していた。


 読者のあなたにはこう見える。逆さまに立った人型、そちらから見て時計回りに少しばかり斜めの。淡いオレンジ色の先端脚、そしてくるぶしから膝より脚部付け根少々前までクリームホワイト色のマッシブな超転装甲。脚部付け根は黒味の濃褐色。股関節はまたクリームホワイト色で、腹部関節、脚部関節の軸棒を支える構造であり、前部、下部、後部にだけややバイラル複合積層装甲材。右肩はこれも淡いオレンジ色で、前後に伸びる。右腕は手首接続部までクリームホワイト色。拳は脚部付け根と同様の黒味の濃褐色。右腕には分厚く堅固かつコンパクトなラウンド・シールド。左肩は右肩に同じだが、肘から拳付け根は実に恐竜のように野太い。胸部は淡いオレンジ色とクリームホワイト色が混在する。そして、頭は額真ん中に黄色であるVの字アンテナで、いわゆる『ガンダム顔』。フェイスマスクに逆Vの字はない。両頬から顎にかけては一見股関節の駆動を邪魔するようだが、小反発力発生フィールドによって駆動を粗雑させない紅色のコード状のセンサー。頭部上のやや額から後ろからこれまた大量のコード・センサーが宇宙にきらめいている。

 ガンダム、『アトルミア・ガンダム』。「スターヌァ」のささやかな人型守備兵器。
 右腕はアインシュタインズ・ビースタ、回転光線砲-テラン・ゼロ-。
 左腕はパワフルマキシマム・デミアルゴリズム、天使破砕剣けん-エンジェル・キリングビューティーソード-。
 額にコクピット。魔神殺戮熱線兵器-フルデーモンバスタード-。
 右脚はフォオクラシュ・ミセレヌ、先端に三段階折りたたみ剣-ストルム・モザイク-。
 左脚はツゥオクラジ・ユニタ、内部に天空翔性三次元炉-ファランクス・ユテギ-と空間姿勢制御機関-コンパスユニタール・ゴッドエンド-。
 胴体は四肢と頭部を繋ぐだけの、強固柔軟性骨格-パワードコンパクト・フレーム-。
『アトルミア・ガンダム』は「スターヌァ」を守るために製造、守備設置された人工守護神兵器である!!


「インンジュラーシァ・ポトールが命じる!! 我が入力に従え! 『アトルミア・ガンダム』!!!!!! イェジ・フェゼント!! 我らが魂の灯火、『スターヌァ』の名に恥じぬ雉の紋章に誓って!! イェジ・フェゼント!!!!!! 動けぇぇええええええええええええええええッ!!!!!!!!!」
  陽灼矢地人の冴えないあとがき

 つたない出来ですがお読みくださってありがとうございます。
 次回作はまったく未定ですが、ご期待して下さると幸いです。
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