高く澄み渡った冬の空に、白い雲がゆっくりと流れるある日…―。
ユーリ「そういえば、知ってた?○○様」
「え?」
公務の合間にお茶を飲んでいると、ユーリがふと思い出したように言う。
ユーリ「1月23日は、アラン様とレオ様の誕生日らしいよ」
「……誕生日!?」
私はテーブルにティーカップを置き、顔を上げた。
「アランと、レオの……」
(そっか。全然似ていないけど、二人は双子だもんね……)
思わず呟くと、ユーリがにっこりと笑って告げた。
ユーリ「お祝いしてあげたら、喜ぶかもね」
ユーリ「まあ、あの二人のことだから、誕生日なんて気にしてないだろうけど」
部屋を出た私は、一人歩きながら考えていた。
(アランも……)
(レオも……)
(二人には、すごくお世話になってるから……)
(誕生日に、私に何か出来ることはないかな)
「…………」
足を止め、窓の外を見上げる。
眩しく輝く太陽が、目の端に映り込んだ。
(何か、欲しいものがわかればいいんだけど……)
するとその時、後ろから誰かに声をかけられる。
「え……?」
振り返ると、そこにいたのは…―。