美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


テーマ:










美羽のブログ-57788.jpg



???「○○……」

振り返ると、そこにはアランの姿があった。

「アラン……」

アラン「道の真ん中で、ぼーっとしてんなよ」

近づいてきたアランが、私の額を軽くはたく。

「……っ…うん」

見上げると、アランがふっと笑みを浮かべて窓の外を見た。

アラン「まあ、確かにいい天気だけどな……」

「…………」

私はアランを見上げ、じっと考える。

(誕生日プレゼントに何が欲しいか、直接聞いてみようかな……)

アラン「……なに」

私の視線に気づき、アランがけげんな表情を浮かべて私を見た。

「ねえ、アラン。欲しい物ってない?」

アラン「……ん?」

私の問いかけに不思議そうに首を傾げながらも、アランが口を開く。

アラン「ねえよ。なんだよ、急に」

「…………」

(あれ、もしかして……)

疑問に思い、私はアランの顔を覗きこんだ。

アラン「……?」

するとアランが、ますます眉を寄せ首を傾げる。

アラン「だから、何だよ」

(誕生日のこと、覚えてないのかも……)

気づき、私は思わず呟く。

「……レオも、同じかな」

すると私の言葉に、アランがぴくりと眉を上げた。

アラン「……は?」

眉を上げ、アランが不思議な表情を浮かべ私を見おろす。

アラン「お前、何であいつの欲しいもの気にしてんだよ」

「え、だって……」

(アランの誕生日は、レオの誕生日でもあるんだし……)

アランの言葉に驚き顔を上げると、目があった。

アラン「…………」

眉を寄せるアランの顔に、私はふと思い至る。

(本当に、自分たちの誕生日のこと覚えていないのかな……)

「…………」

じっと見つめると、アランがわずかに首を傾げた。

(それだったら、このままサプライズでお祝いしてあげようかな)

アラン「……お前」

アランが、私の顔を覗き込むようにして尋ねる。

アラン「……何企んでんだよ」

「何でもないよ」

ごまかすように笑みを浮かべ、私は歩きだした。

(アランに喜んでもらいたいから、今は言わないでおこう)

すると私の手を取り、アランが低い声で言う。

アラン「ちょっと待て」

(え……?)

振り返ると、アランが掴んだ手をそのまま引き寄せた。

アラン「…………」

「アラン……!?」

アランが強引な力で、私の手を引いていく。

「どこ行くの?アラン」

アラン「…………」

アランは黙ったまま、前だけを厳しい目で見つめたまま歩いていった。



廊下の影に隠れると、ようやく振り返る。

「……?」

そして私を見おろし、低い声で尋ねた。

アラン「お前、俺に……」

アランが言いかけた、その時…―。
どこか遠くから、アランを探す騎士たちの声が聞こえてくる。

アラン「…………」

(あ……アラン、もう行かなくちゃいけないんだ)

私の手から、アランの指先が離れていった。
声の方にわずかに視線を寄せるアランを見上げ、私は口を開く。

「じゃあ、私行くね」

アラン「…………」

すると背を向けた私の肩に、アランの腕がまわった。

「……っ…」

突然抱き寄せられると、アランの顔が肩口に埋まる。

「え、アラン……?」

アラン「…………///」

私の肩に息を吹きかけるようにため息をつくと、
アランが小さな声で、ぽつりと呟いた。

アラン「行くのかよ。俺が話があるって言ってんのに」

「え……」

アラン「…………」

肩口に顔をうずめるアランの震えるような声に、鼓動が高鳴る。

(アラン……何だか、寂しそうな声だけど)

その間も、アランを探す騎士たちの声は近づいてきていた。

(どうすればいいんだろう、このまま黙っていたほうがいい?)

「……あの、アラン」

アラン「…………」

悩みながら名前を呼ぶと、アランの顔が肩から離れていく。
見上げると、アランが顔を反らしたまま小さな声で言った。

アラン「バーカ、冗談だよ」

アランが私の身体を離し、それ以上は何も言わないまま去っていく。

「アラン……?」

後ろ姿に声をかけるものの、振り返る様子もなく去っていくその背中に、
私は残されたまま、一人首を傾げていた。

「…………」

(アランは、何か話したかったんだよね……)

そうして私は歩いていくと、先程と同じ窓から外を見上げる。

(今夜、アランの部屋に行ってみよう……)
(アランの話を、ちゃんと聞きたい)






そして、その夜…―。


私は、アランの部屋のドアを叩いていた。

「……あれ?」

部屋の中から灯りが漏れているものの、返事はない。

「…………」

(どうしたんだろう……)

部屋のノブを握り、私はそっとドアを開いていった。

「アラン……?」

私は小さな声で呼びかけながら、ベッドに近づいていく。
横になった姿を覗き込むと、アランは静かに眠っていた。

「…………」

その寝顔に、私は昼間の出来事を思い出していく。



―アラン「行くのかよ。俺が話があるって言ってんのに」―

―アラン「…………」―

―アラン「バーカ、冗談だよ」―



子どものようなあどけない寝顔を見おろしながら、私は息をついた。

(話を聞きたかったんだけど……)
(また明日、来ようかな)

そして立ち去ろうと背中を向けると、低く掠れた声が響く。

アラン「○○……」

「え?」

思わず振り返ると、アランが目を閉じたまま寝がえりをうった。

「…………」

(もしかして、寝言……?)






PR

気になるキーワード