美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


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後ろからそっと手を取られ、私は驚くまま振り返る。
するとそこには、レオの姿があった。

手が離れると、私は口を開く。

「……レオ?」

(アランかと、思った……)

レオ「……もしかして、その顔。俺のことアランだと思った?」

「……っ」

図星をつかれ顔を赤く染めると、レオがくすっと笑みをこぼした。

レオ「わかりやすいな、○○ちゃんは」

冷たい風が吹き抜け火照った頬を冷ますと、私はようやく顔を上げる。

「あの……どうかしたの?」

レオ「アランが、近くまで帰ってきてるらしいんだよね」

レオの言葉に、鼓動がとくんと鳴った。

レオ「こっそり、逢いにいこうか」

「それは……」

(もちろん、逢いにいきたい。でも……)

不安に手を握り締めると、レオが私の顔を覗きこむ。

レオ「大丈夫。ジルも知ってるから」

「え?」

驚き視線を上げると、レオがふっと目を細めた。

レオ「頑張ってる君への、ご褒美だよ」

そして歩きだしたレオが、慌てて後を追う私に告げる。

レオ「でも、くれぐれも他の人には見つからないようにね」






そして、すっかり日も暮れた頃…―。


アランは騎士たちの一団から離れ、一人稽古をしていた。

アラン「…………」

長くため息をつくと、アランがふっと呟く。

アラン「もう限界かもな」

そして何かを振り切るような一太刀を振り下ろした時、
茂みから微かな物音が響いてきた。
茂みを振り返ったアランが、剣を握り直すと…。






「アラン……!」

茂みから飛び出し、私はアランの名前を呼んだ。

アラン「……っ」

驚いたアランが軽く目を見開き、剣をしまう。

アラン「何してんだ、お前?」
アラン「どうやって、ここに……」

目を丸くするアランの前に歩み寄ると、私は手を伸ばした。
思わず、アランの腰元にぎゅっと抱きついてしまう。

アラン「…………」

アランもそっと、私の身体を抱きしめ返してくれた。

(アラン……)

大きく息を吸いこみ、私はささやくように言う。

「レオが、連れてきてくれたの」

アラン「あいつが……」

アランが呟き、腕に力を込めていった。
そして、私の耳元で呟く。

アラン「借りが出来たって、ことか」

アランの呟きを聞き、私は手の力を緩めてその顔を覗きこんだ。

(もしかして……)

「……迷惑だった?」

おそるおそる尋ねると、アランが私を見おろし目を細める。

アラン「いつ、そんなこと言ったんだよ」

そしてぎゅっと痛いほどに私の身体を抱きしめると、
耳に唇を触れたまま、ささやいた。

アラン「……逢いたかったよ///」

そして顔を傾け、頬にキスをする。

「……っ」

(アラン……私も逢いたかった)
(ずっと……)

顔を離すと、今度は唇が重なった。
温かく柔らかな感触に、背中に置いた指先がぴくりと跳ねる。

「ん……」

久しぶりに触れるアランの吐息に目を閉じると、
森の奥から騎士たちの声が聞こえてきた。

(人の気配がする……)

アラン「…………」

身体を離すと、アランが私の腕を引く。

アラン「こっち」

そうして手を引かれるまま茂みに隠れると、
アランが後ろから私の身体を包むように抱きしめた。
耳の後ろに吐息がかかり、私は必死で名前を呼ぶ。

「ア、アラ……」

(人が、すぐそこにいるかもしれないのに……)

ぎゅっと目を閉じると、アランの指先が私の襟まきの中に入り込んだ。

アラン「……お前のここ、あったけーな」

耳元で響くからかうような声音に、私は息をつく。

「っ…やだ……」

身をよじり、私は薄く目を開いたまま振り返った。
するとそのまま、唇が重なる。

「ん……」

振り返る体勢のままアランのキスを受け止め、私は息を乱していった。
アランの唇が、何度もついばむように私を求めていく。

「……っ…ん」

やがて人の気配がなくなると、アランが私の顔を覗き込んで言った。

アラン「もうすぐ帰るから、待ってろよ」

滲んだ私の涙をぬぐうと、アランが立ち上がる。
手を差し伸べながら、照れたように口を開いた。

アラン「あんまちょろちょろ、出かけんなよ。心配だから」

「……うん」

私は頷き、アランの手を取る。
そして立ち上がると、アランを真っ直ぐに見上げた。

「待ってるよ、アラン」






そしてアランと別れた、その帰り道…―。
私を馬に乗せ帰り道を進むレオが、ふっと笑みをこぼした。

レオ「騎士たちにちょっと話を聞いてきたんだけどさ、」
レオ「アランも、頑張ってるみたいだよ」

「え……」

馬の上で軽く振り返ると、レオが言う。

レオ「スキャンダルに足る男になる作戦みたいだよ。アランらしいね」

「……?」

(どういうことだろう……)

尋ねようとすると、レオが面白そうに目を細めた。

レオ「○○ちゃんも、そのうちわかるよ」






そして迎えた、バレンタインデー当日の朝…―。


私は部屋で、窓の外を眺めていた。

(今日は、アランが帰って来る日……そして)



―アラン「ああ。チョコの日な」―

―アラン「用意しとけよ?」―



「チョコの日か……」

ふっと口元をほころばせ、私はカーテンに触れる。
真っ青な空を見上げ、私は息をついた。

(今日は、好きな人に素直な想いを伝える日なんだよね)
(せっかくだからチョコを用意して、待っていたいな……)






選択肢


彼のもとへ行く→プレミア

部屋で待つ→スイート






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