美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


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そして、バレンタインの夜…―。


私は手作りしたチョコを前に、部屋でアランの帰りを待っていた。

(アラン、帰ってこられるといいけど……)

待っていると静かにドアが叩かれ、ユーリが顔を出す。

ユーリ「アラン様たち、もう帰ってくるみたいだよ」

「え」

ユーリの言葉に、私は慌てて立ち上がった。
するとユーリが笑みを浮かべ、話してくれる。

ユーリ「アラン様が遠征先で大活躍したとかで、」
ユーリ「プリンセスとの噂を言う人はあまりいなくなったみたい」

「どうして……」

思わず呟くと、ユーリが目を細めた。

ユーリ「『一介の騎士がプリンセスの心を射止めて登りつめる』って噂だったけど……」
ユーリ「そんなことしなくても登り詰めるに足る人だったんだから、もう誰も陰口叩けないよ」

ユーリの言葉に、私はほっと息をつく。

(アランが、すごく認められたってことなんだ……)






ユーリが去ると、私は我慢できずに部屋を抜け出していた。

(今すぐ、アランに逢いたい……)

思っていると、目の前に現れた人影に気づく。

アラン「こんなことだろうと思った」

「どうして……」

足をとめた私の前に立ち、
アランが呆れたように、けれどどこか優しい声音で言った。

アラン「迎えに来たんだよ、バカ」

「アラン……」

そして私はアランに手を引かれ、部屋へと向かっていった。






部屋に入りドアを閉めると、
その瞬間、アランが私を後ろから抱きしめた。
腰元にまわった腕に力が込められ、唇が首筋に触れる。

「アラン、ちょっとま…っ…」

アラン「ん?」

私は身をよじり振り返ると、用意してきたチョコを差し出した。

「約束を、したから……」

アラン「ああ」

アランが私の手からチョコを受け取り、ゆっくりと包みを開いていく。
間近からその様子を見守っていると、アランがぴたりと動きを止めた。

(……どうしたんだろう?)

思い顔を上げると、アランが少し開いた私の口にチョコを入れる。

「……っ…」

口の中いっぱいに広がる甘さに目を瞬かせ、私はアランを見上げた。

「なんで……」

すると何も答えないまま、アランが顔を傾け唇を重ねる。

「……んっ」

差し込まれた舌が、私の口の中のチョコを奪っていった。
口中に広がるチョコの香りに、私は目を閉じる。

やがて唇を離すと、アランがぽつりと呟いた。

アラン「あま……」

「……!」

唇の端についたチョコを拭いながら呟くアランの姿に、
私の鼓動が破裂しそうなほどに鳴っている。
アランがふっと目を細め、同じ指で私の唇に触れた。

アラン「ついてる」

「あ……っ…」

アランが再び顔を寄せ、深く長いキスをする。
熱い吐息と舌が重なり合い、
静かな部屋が、むせかえるような甘さで満ちていった。

(何だか、チョコごと食べられてしまうみたい……)

アラン「…………」

やがて唇が離れると、私の身体を抱きしめアランがため息をつく。

「……アラン?」

そっと背中に手を回し尋ねると、アランが呟いた。

アラン「思ったより、しんどかったな」
アラン「次は、無理かも」

アランがわずかに身体を離し、私の顔を覗きこむ。

アラン「また噂が流れたら、今度は見せつけてやるからな」
アラン「この国のやつら、全員に」

胸をぎゅっと掴まれるような感覚に、私は自然と口元をほころばせた。

「うん……」

(次にスキャンダルが流れるとしたら、きっと……)

アランの顔が再び寄せられ、私はそっと目を閉じていった…。

「ん…っ…」

繰り返される深いキスに、私はアランの胸をわずかに押した。

「アラ、ン……まっ」

(これ以上は、息が……)

吐息をも奪われ、私の息が上がってしまっている。

アラン「待てない///」

私の身体を壁に押し付けるようにして、アランが首筋に甘くかみついた。

「ぁ……」

抑えつけられた指先が、微かに跳ねあがる。

(久しぶりに逢えたからかな……すごく、緊張してる)

首筋に走る甘い刺激に、私は背中を震わせた。

「…んっ…」

アラン「…………///」

膝から力が抜け、アランの身体によりかかる。
するとアランが、ぽつりと低く呟いた。

アラン「悪い///」
アラン「どうやって優しくしていいか、忘れた///」

「…………」

(アランもきっと、戸惑っているんだ……)

私はアランの胸に顔をうずめたまま、掠れた声をあげる。

「……アランなら、何でもいいよ」

(これは、本心だから……)

アラン「…………///」

するとアランが、耳元に吐息を吹きかけながらささやいた。

アラン「そんなこと言ってどうなっても知らねえからな///」

そして私の身体を抱えあげると、ベッドまで運んでいく。
ゆっくりと私の身体を横たえると、アランが言った。

アラン「……ずっと、お前のこと考えてた///」

アランの低い声が、甘く優しく降りてくる。

アラン「○○……///」

「……っ」

胸元にうずまるアランを抱きしめ、私はぎゅっと目を閉じた。

(私も、アランのことを考えていたから……)






朝の光を感じ目を覚ました、翌朝…―。


ゆっくりと身体を起こすと、
ソファに腰かけ食べかけのチョコを口にするアランの姿が見えた。

アラン「……美味いじゃん」

気づいたアランが笑みを浮かべ、言う。

「良かった……」

私は呟き、シーツを口元まで引いて笑みを浮かべた。
嬉しい気持ちのままアランの様子をじっと見守っていると、
アランがふっと目を細める。

アラン「なに?欲しいのかよ」

「え?」

思いがけない言葉に目を瞬かせると、アランが告げた。

アラン「こっちに来いよ。これで最後だから」

「……あ」

私は顔を真っ赤に染めながらも、シーツを引き寄せた。
そしてシーツに身体を包むと、アランの元へとそっと足を運ぶ。

アラン「ん」

「…………」

私を見上げるアランの口元のチョコに、私は唇を寄せていった。

いつのまにかうなじに回った手が、私の顔を引き寄せる。
深いキスを受け止めながら、私はチョコの甘さを飲みこんだ。

(本当に、甘い……)

アランの指先がシーツを落とし、私の素肌を撫でる。

「……ぁっ…」

私はアランの肩に指先を沈めながら、朝の静けさに声を響かせていった…。






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