美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


テーマ:
美羽のブログ-57788.jpg



そして、その夜…―。


急いでチョコを用意した私は、部屋で手の中のチョコを見おろしていた。

(審問を終えたばかりのジルを訪ねたら、また噂になってしまうかも)
(どうやって、渡そうかな……)

考えているうちに、部屋のドアが叩かれる。

「え……」

そっとドアを開くと、そこにはレオの姿があった。

レオ「こんばんは、○○ちゃん」

「どうしたの?」

尋ねると、レオが手招きをして私を廊下へと呼ぶ。
私が目の前に立つと、レオが何かを待つように黙りこんだ。

「レオ?」

レオ「……うん、何でもなかった」

笑みを浮かべるレオが、突然に告げる。

レオ「じゃあね」

(……?)

去っていくレオの姿に首を傾げながらも、私は部屋へと戻っていった。



(何か用だったのかな。でも……)

考えながら部屋のドアを閉めると、私は途端に息を呑む。

「……っ」

ジル「勝手に申し訳ありません、プリンセス」

そこに立つジルの姿に驚き、私は掠れた声で尋ねた。

「何で……」

尋ねるて、ジルがふっと笑みを浮かべた。

ジル「レオのアイディアですよ」

念のため、私が部屋を離れている間に中に入ったのだという。

ジル「今日逢うというのはあまりに意味深ですから、」
ジル「用心にこしたことはないでしょう」

「…………」

ジルの言葉に、鼓動が小さく跳ねた。

(今日逢うということの、意味……)

私はテーブルの上に置いたチョコを取り、ジルを見上げる。

「ジル、これを……」

ジル「ありがとうございます」

私の手から、ジルがそっとチョコを受け取る。

わずかに触れた指先から、痺れるような熱が走った。

「…………」

頬が赤く染まるのがわかり、私は顔をうつむかせる。
するとくすっと喉をならすように笑うジルが、低く呟いた。

ジル「○○……バレンタインに受けとるものは、」
ジル「チョコレートだけだと、決められているわけではないんですよ」

(え……)

ジルが近付き、片方の手で私の耳元をかきあげるように撫でる。

ジル「私が欲しいものは……」

ジルが顔を寄せ、私の唇を挟むような仕草でキスを落とす。

「……っ」

驚きに小さく目を見開くと、ジルが目を細めて私を見つめた。

ジル「甘いですね」

「ジ、ジル…っ……」

名前を呼ぶ私の唇を、今度はジルが覆うように塞ぐ。

「んっ……」

ジルは、何度も深くついばむようにキスを繰り返していった。
音をたて唇が離れると、ジルが額を合わせて微かな笑い声をこぼす。

ジル「……冗談ですよ」

そして手の中のチョコを、持ちあげて見せた。

ジル「こちらも、頂きます」






そうしてジルが入れてくれたお茶を飲みながら、
私はチョコを食べるジルの姿を見ていた。

ジル「美味しかったです。ありがとうございました」

笑みを浮かべるジルの姿に、不意に気になり尋ねてしまう。

「ジルは、今までもチョコをもらったりしたんですか?」

(たくさん、もらっていそうだけど……)

ジル「…………」

すると口の端に笑みをにじませ、ジルがティーカップを置いた。

ジル「気になりますか?」

ジルの瞳が、私の目を窺うように覗き込んでいる。
その視線に鼓動が跳ねるまま、私は静かに口を開いた。

「……教えて、ください」

ジル「……素直ですね」

くすっと笑みをこぼし、ジルが答えてくれる。

ジル「初めてですよ」

(え……?)

意外な答えに驚き目を瞬かせると、ジルが小さく首を傾げた。

ジル「これまでは全て、お断りしてきましたので」

立ち上がり、私の椅子の背もたれに手をかける。
そして私の顔をのぞきこむと、ささやくように言った。

ジル「チョコが、こんなに甘いとは思ってもみませんでした」

「……んっ…」

ジルがそのまま、唇を重ねる。
舌先が唇を割ると、私はぴくりと背中を震わせた。
ジルの片方の手が腰元に触れ、私の身体を椅子から抱きあげる。

「……!」

驚きしがみつくまま、私の身体はベッドに降ろされていた。
ベッドが軋む音が響き、ジルが膝を載せる。

ジル「あなたと会うまでは、知らなかったことばかりですよ。○○///」

ジルが私の身体の両脇に肘を置き、そっとささやく。

ジル「これからはずっと私の元にいて、教えてください///」
ジル「あなたは私の知らないことを、たくさん知っていそうですからね///」

「……っ…」

ジルの指先が私の身体の輪郭をなぞり、降りていった。
その仕草に身をよじらせながらも、私は小さな声で告げる。

「ジル……私も、離れたくありません」

(たとえ許されない関係だったとしても……)

指先が私の髪をすくと同時に、
ジルの唇が首筋を伝い、胸元へと降りていく。

「ぁっ……」

思わず甘い声を漏らすと、
ジルが上気した素肌に吐息を吹きかけるように笑った。

ジル「ええ、離しませんよ///」

ジルが私のうなじに触れ、頭を小さく持ちあげる。
そして深く舌をからめとると、キスの合間にささやいた。

ジル「……誰にも渡さない。私だけのものです///」

いつの間にか乱れていたドレスが、肩から滑り落ちていく。
露になった胸にジルの体温が伝わり、腰がひどく疼いた。

「……っ…ん」

ジルのキスに応えながら、
私は素肌に触れるジルの髪の感触に、声をこぼしていった…。






Sweet End






PR

気になるキーワード