美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


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音楽会に向けヴァイオリンの練習することを決め、

私は部屋で一人、弦をはじいていた。


(何だか、綺麗な音が出ないな……)

(どうしたらいいんだろう)


するとそこに、どこか呆れた様子のアランが顔を出す。


アラン「下手くそだな、お前」


「難しくて……」


弓を降ろし微かに顔をうつむかせると、アランが息をついた。


アラン「仕方ねえな……」


近づいてきたアランが私の背中から腕をまわす。


アラン「首に、こうあてんだよ」


「……っ」


アランが私の手を取り、ヴァイオリンを首元に当てた。

背中に触れるアランの体温に、私の鼓動がわずかに跳ねる。


「あ、ありがとう……」


火照る頬を隠すように顎を引き、私は手にした弓をひいた。

すると先程とは比べ物にならない綺麗な音が響いてくる。


「わ……すごい」


(もしかしてアラン……ヴァイオリン弾けるのかな)


少し離れたアランを振り返り、私はその顔をじっと見上げた。


アラン「……なに」


見つめ返すアランに、私は口を開く。


「アラン、良かったらヴァイオリンを教えてくれないかな」


アラン「は?なんで俺が……」


「お願い」


アラン「…………」


微かに眉を寄せたアランが視線をそらし、はぁとため息をついた。


アラン「言っとくけど、俺は教えるの上手くねえからな」







アランに教えてもらいながら、私はヴァイオリンの練習を続けていた。

やがて椅子に腰かけるアランが、私を見上げて呟いた。


アラン「まあ、聴けるようになったんじゃねえの?」


「うん……」


首からヴァイオリンを外し、私は頷き答える。

そして、アランの思いのほか丁寧で優しい指導を思い出した。


(アランのおかげだよね……)


「ありがとう、アラン」


アラン「…………」


すると黙ったまま立ち上がったアランが、私の背中から手を回した。


アラン「肘はもっと、上げろよ」


「……っ」


アランの吐息が首筋にかかり、私の背中が粟立ってしまう。


アラン「おい、聞いてんのか?」


「う、うん……」


頷くと、アランが真っ赤になった私の頬に目を止める。

一瞬だけ目を瞬かせると、ふっと吹きだすように笑った。

そしてより身体を近づけて、耳元に低くささやく。


アラン「もう一回」


アランの身体の温もりを感じ、私の鼓動は早鐘を打っていた。


「ひ…弾けないよ……」


私の掠れた声を聞くとくすっと喉をならすように笑みをこぼし、

アランが首元に唇を押しあてる。

突然の感触に身体を跳ねさせると、アランが意地悪な声音で告げた。


アラン「いいから、続けろよ……」


「……っ…」


手に持ったままの弓が弦をはじき、部屋に高い音を響かせた…。




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