美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


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ジルが静かに口にする。


ジル「……怒っていますよ」


(やっぱり…)


「すみません、ジル。私が……」


すると、私の言葉を遮るようにジルが口を開く。


ジル「いいえ、○○」

ジル「私は、貴女を巻き込んでしまった自分自身に怒っているんですよ」


「え…?」


すると、扉が叩かれ外から声が響く。


(誰…?)


ジル「…あんな事態になったのです」

ジル「恐らくは、使用人頭が城に遣いを出してくれたのでしょう」


ジルが目の前にそっと手を差し伸べてくれる。


ジル「迎えが来たはずです」

ジル「城に戻りましょう、○○」


ユーリに迎えに来てほしい←


(ジル…)


私はジルの手に指先を重ねながら、眉を寄せた。


(私はジルに、あんな顔をして欲しいわけじゃないのに…)


手を重ねながらも、ジルの見えない本心に、私は静かに息をついた…。







夜、手配された馬車で私たちはこっそりお城へと戻り、

翌日は、いつも通りの公務のために執務室で机に向かっていた。


レオ「おはよ、○○ちゃん」


レオが本を手に、部屋へと入ってくる。

本を広げて、公務の説明を終えた後、ふと思い出したように口を開いた。


レオ「そう言えば、ジル。大変だったみたいだね」


「え?」


ジルの名前が出て、どきりと鼓動が高鳴る。


レオ「ほら、○○ちゃんも知ってるでしょ。例の侯爵の件」

レオ「今朝から宮廷内はその話題で持ち切りだからね」


「そう……なんだ」


すると、レオが笑みを浮かべて、私のほうへと顔を近づける。


レオ「ひとつ、気になってることがあるんだよね」


「気になること…?」


レオ「うん。その時、どうやらジルは自分の使用人と一緒だった…っていう話なんだけど…」


レオがすっと目を細める。

眼鏡の奥のレオの視線が、私の目をとらえる。


レオ「それって、○○ちゃんのことでしょ?」


「そ、それは…」


わはは、バレバレ( ̄▽ ̄)w


私が言い淀むと、レオが楽しそうに笑みを浮かべる。


レオ「素直だなぁ、○○ちゃんは」

レオ「そんなんじゃ、はい、そうですって言っているようなものなのに」


(そう、かもしれないけど……)


「レオは、何でそう思ったの?」


レオ「ん?だって、昨日は○○ちゃんの公務は休みだったし…」

レオ「一昨日までは、ジルと一緒に忙しそうに仕事してたでしょ」

レオ「…ふたりで休みをとるために」


よく見てるよね。だからかっこいいんだよなぁ。


レオは事もなげにそう言うと、ふと首を傾げる。


レオ「まぁでも、そんな秘密を共有している割には…」

レオ「ジルも○○ちゃんも、浮かない顔してるよね」


(あ……)


レオの言葉に、昨日のジルの顔を思い出す。

私が不安げに眉を寄せると、レオが楽しそうに口を開いた。


レオ「話、聞いてあげようか」







その夜、ジルがひとり部屋で机に向かっていると、

扉を叩かれ、レオが姿を見せた。


ジル「…どうされました?」


ジルがペンを置きながら訊ねると、レオが笑みを浮かべて答える。


レオ「ジルにお願いがあるんだよね」


レオの口から出たのは、明日の執務を自分と代わって欲しいというものだった。


ジル「…珍しいですね。貴方の口からそのような話が出るなんて」


レオ「そう?」


首を傾げるレオに、目を細めながらジルが答える。


ジル「貴方の明日の予定は、私に代わって」

ジル「○○の公務に同行するものだったはずです」


侯爵の一件で動く必要のあるジルの代理としてレオが同行することは、

今朝ふたりの間で決められたことだった。


レオ「…うん。でも、侯爵の件は俺のほうでも進められるけど…」

レオ「○○ちゃんのことは、ジルじゃないと解決できないからね」


さらっと言うけどさ、侯爵の件、レオじゃ難しいんでしょ?

だってジルがヒロインとの公務をわざわざ代わってもらうくらいなんだから。

めんどくさいこと引き受けてまで力になってくれるなんて、ほんとに優しいよね。

でもその優しさを期待してレオ本編行くとひどい目にあう…というww


ジル「……どういう意味です?」


ジルが眉を寄せて訊ねると、レオが扉に手をかけながら答えた。


レオ「○○ちゃんが教えてくれると思うよ」


ジル「…………」


ひらひらと手を振りながら部屋を出て行くレオを見送り、

ジルは小さく息をついた…。







翌日…―。

私は公務からの帰り道、馬車に揺られていた。


(きっと、レオがそうしてくれたんだよね)


今日の公務の同行はレオだと聞かされていたものの、

実際に付き添ってくれたのは、ジルだった。


(私が、ジルの考えていることを知りたいって言ったから…)


公務を終えて肩の力が抜けたのか、先ほどからジルのことばかり考えてしまう。


ジル「……」


(ジルは、何を考えているんだろう)


正面に座るジルを見つめていると、

それに気付いたのか、ジルが静かに笑みを浮かべ、自分の横の席を示した。


ジル「○○」

ジル「こちらへ来ますか?」


(あ……)


ジルの静かな笑みに、私は小さく頷く。

ジルの隣にそっと腰を下ろすと、私はあることを思い出した。


(そうだ)


私は今朝早くに起きて作ったケーキをバックから取り出す。


(話すきっかけになれば良いと思って作ったんだよね…)


レオがついてくるって思ってたのに何でジルにあげるケーキ持ってきてんの、

お城に置いて来いよなんて思ってないからね(`・ω・´)!←


「ジル、甘いもの…好きでしたよね?」


私が包みを開くと、ジルは少し驚いた様子で訊ねる。


ジル「わざわざ作ったのですか?」


私が頷くと、ケーキに指を伸ばしながらジルが口を開く。


ジル「…朝早くに起きていると思ったら、こんなことをしていたんですね」


ジルはケーキを口に運ぶと、ふっと目を細めた。


ジル「美味しいですよ、○○///」


(良かった…)


私は嬉しく思いながら、膝の上でぎゅっと手を握る。


「あの、ジル……実は聞きたいことがあるんです」


すると、ジルはそう言われることがわかっていたかのように、

静かにこちらに目を向けた。


ジル「…何ですか?」


(私は……)


お祭りや侯爵のお屋敷で見たジルの表情の理由について、

ジルにひとつひとつ説明しながら訊ねる。


「ジルが、何を考えているのか…知りたいんです」


すると、ジルはゆっくりと口を開いた。


ジル「いつも、貴女のことを考えていますよ…○○」


そして、指先で私の髪に触れながら、続けた…。


ジル「貴女をプリンセスに選んで良かったのか」


落とすね( p_q)


「え……?」


驚く私を見ながら、ジルは苦く笑みを浮かべる。


ジル「お祭りで子どもたちと遊ぶ貴女を見て思ったんです」

ジル「貴女には、あんなにも別の居場所があったはずなのだと」


(だから……)



―ジル「それにしても、子どもたちと遊ぶ貴女を見ると…」―


(ジル……?)



ジル「侯爵邸で貴女が巻き込まれた時もそうです」

ジル「私が選ばなければ、貴女をあんな危険に巻き込むこともなかった」



―「すみません、ジル。私が……」―


―ジル「いいえ、○○」―

―ジル「私は、貴女を巻き込んでしまった自分自身に怒っているんですよ」―



(そんな……)


その言葉に、私はジルを真っすぐ見つめて答える。


「そんなの……勝手です」


(それじゃあまるで……)


「私が、ジルの隣にいてはいけないみたいじゃないですか」


(そんなこと、もう考えられないのに…)


ジル「……○○」


名前を呼ぶジルの声に、きゅっと胸がしめつけられる。


「……だったら」


私は息をのんで、口を開いた。


「だったら、何があってもジルが私のことを守ってください」

「私もジルも、不安に思わないで済むくらい…」


膝の上で握られた手に、さらに力を込める。


「それなら、私はジルの隣にいることが出来ます」


ヒロイン、よく言った!!

ジルヒロインはかっこいいから好き♡


見つめていたジルの瞳が、わずかに揺れる。


ジル「……本当に、貴女という人は…」


ジルが私の身体を抱き寄せ、耳元で小さく呟いた…。


ジル「……だから、貴女を諦めることができないんですよ///」




分岐:


彼からのお礼を受け取る→プレミア

彼の傍で待つ→スイート



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