阪神―広島18回戦(阪神10勝8敗、18時、大阪ドーム、四万八
千)
広 島000001000―1
阪 神10000112×―5
- ▽勝 井川20試合9勝8敗
- ▽敗 佐々岡24試合3勝6敗3S
- ▽本塁打 片岡3号1(天野)アリアス23号2(沢崎)
●…阪神はアリアスが2安打3打点と活躍。六回に適時二塁打を放ち勝ち越すと、八回は23号2ランで試合を決めた。井川は6月2日以来の完投で9勝目。チームの連敗は3でストップ。広島は打線が元気なく、3連敗となった。
【写真説明】ラロッカの併殺打で試合終了。山本監督(8)を中心に、ぼうぜんとする広島ベンチ(撮影・藤井康正)
▽球炎 投手事情 お先真っ暗
こんなはずじゃなかった―。悲鳴ともいえる嘆きが首脳陣から聞こえてくるようだ。毎日、目の前で雪だるま式に借金が膨れ上がり、そこにチームとして明確な返済方法もない。それが広島の現実であり、担保になり得るような投手もいないのである。
今夜の試合は、現在の厳しい投手事情を凝縮している。開幕直後にセットアッパーの佐々岡が先発陣の柱としてマウンドに立つ。若手を押しのけた先発復帰なら心強いものだが、現実は次から次に消えた故障組の割を食った格好だ。「先発・佐々岡」は構想と現実のギャップから生まれた。
中継ぎ陣の起用法にも誤算がある。天野と沢崎は登板40試合が目前で疲れている。開幕前は中継ぎ陣を1、2軍で頻繁に入れ替えるという方針だったが、投手の供給源である2軍は、さらに危機的な状況。この日のウエスタン・リーグでは、投手不足から野手の山本芳が4番手で登板した。
黒田が日本代表で抜けたことで、先発陣の総合力と完投能力は低下。中継ぎ陣も疲れから計算し難い。ここを補う投手も2軍に不在。それでも投手が頑張って抑えると今度は打線が打たない。お先真っ暗である。(木村雅俊)
■今季最少2安打 復活の兆しなく
今季最少の2安打。「悔しいけど、井川に『気』を感じた。良かったから打てない、ではいけないんだ」。内田コーチは少し寂しそうに、帰りのバスへ歩き始めた。
「立ち上がりを攻める」。井川対策はこれに尽きた。今季、対戦した3試合では一回に打ち込んだ。しかし、この夜はまったく逆の結果となった。伸びのある直球とコーナーをえぐるスライダーに、六回二死まで無安打に封じられた。
ここ3試合、11打数無安打の緒方は「相手がいいとは思わなかったが、自分の状態が悪い。大きく振っているつもりはないのだが…」と頭を抱える。
後半戦20試合で敗戦は15を数えた。「明日やるしかない。いつも同じこと言っているなあ」と山本監督。立ち直りのきっかけは、一向に見つからない。(五反田)
■粘りの投球実らず黒星 佐々岡
6回を投げて6安打、2失点。井川と投手戦を演じた佐々岡は「制球が悪く、リズムも悪かったが何とか粘れた」とベテランらしい味のあるマウンドを振り返った。
チームの連敗を止められず、自らも6敗目。それでも球数102と今季初めて100の大台を越え、先発投手陣の中で一番、安定感がある。「でも、勝たないと意味がない。この調子を1試合1試合、きっちりとやっていくしかない」と気持ちを切り替えていた。
◎セ・リーグ勝敗表(第20節・13日現在)
試 勝 敗 引 勝
合 数 数 分 率 差
1 中 日 96 55 40 1 .579
2 巨 人 103 55 46 2 .545 3.0
3 ヤクル 94 47 45 2 .511 3.5
4 阪 神 97 47 49 1 .490 2.0
5 横 浜 93 41 50 2 .451 3.5
6 広 島 95 40 55 0 .421 3.0
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