美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


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私はジルと共に高台から街を見おろしながら、

私はゆっくりと、その肩に頭を寄りかかった。


(このくらいなら、大丈夫だよね)


ジル「…………」


ジルの方の感触にほっと息をつき、目を閉じる。


(嘘の恋人じゃなくて……)

(堂々と、本当の恋人だって言える日が来るといいな)


考えていると不意に、ジルの肩がぴくりと揺れた。


(え……?)


見上げるとジルが、どこか苦しそうに視線を背けている。


ジル「……帰りましょうか」


「ジル?」


私の手を引き、ジルは高台を足早に後にした。







手綱を引くジルの前に座り、私は馬の背に揺られていた。


「ジル、疲れましたか?」


(あんなに突然、帰ろうだなんて……)


振り返り仰ぎ見ると、ジルがふっと目を細める。


ジル「いいえ……」


「…………」


ジルの顔を見上げ、私は軽く首を傾げた。


(今日は、嘘をついていい日……)

(何が嘘で、何が本当なのか……わからなくなってしまったな)


すると気づいたジルが、くすっと笑みをこぼす。


ジル「心配しなくてもいいですよ、○○」

ジル「私はあなたに、嘘をついたことはありませんから」


ジルの言葉に、私は思わず顔を上げる。


ジル「あなたの前では何故だか、素直になってしまう自分がいます」


そしてちらりと私を見おろし、内緒話しをするように耳元に顔を寄せた。


ジル「先程も、疲れたのではなく……」


「……っ」


ささやかれた訳に、私はかあっと顔を赤くする。


(触れたくなったから、だなんて……)


私の素直な反応に満足したのか、ジルが真っ直ぐに前を向いた。


ジル「あのままでは、嘘ではまかり通らないことをしてしまいそうでしたからね」


ジルの言葉に、鼓動が高鳴っていくのがわかる。

耳元までをも赤く染めると、ジルがからかうように告げた。


ジル「あなたの耳は、嘘を見抜くカギですね」

ジル「すぐにわかります。何を考えているのか……」


ジルの吐息が、ふっと耳元に吹きかかる。


「ぁ……っ」


びくりと震え馬から落ちそうになった身体を、ジルが支えてくれた。


ジル「しっかりつかまっていてください」


「は、はい……」


(それが嘘でも本当でも、ジルには翻弄されっぱなしだな……)


そうして私はジルと共に、夕日の差し始めた森を通り抜けていった…。







そして城下から部屋に戻ると、私は部屋で息をついていた。


「…………」


(ジルには、あんなことを言ったのに……)


私は昼間の出来事を思い出す。



―「ジル、嘘に翻弄されないようにしてくださいね」―


―ジル「その言葉、あなたにそのままお返ししますよ」―



(ジルの言う通り、結局翻弄されたのは私だった)


そうして考えていると、部屋のドアが叩かれた。


ユーリ「お帰りなさい、○○様。休日は満喫した?」


「ユーリ、ただいま……」


するとその後ろから、レオも顔を出す。


レオ「ちょうどお茶を出すって聞いたから、付いてきたんだよ」


そうして私はユーリに用意してもらい、レオとお茶を飲むことになった。


レオ「今日は『嘘つきの日』なんでしょ?城下には面白い風習があるね……」


ユーリ「レオ様にはぴったりなんじゃないかな」


レオ「さあ、どうかな」


二人の話を楽しく利いていると、やがて視線が向けられたことに気づく。


(え……?)


戸惑いに目を瞬かせると、レオが訊いた。


レオ「で、ジルはどうだったの?」


レオの言葉に戸惑い、私は軽く首を傾げる。


「どうって……」


ユーリ「ジル様って、嘘とか通じなさそうだよね」


レオ「そうそう。冗談言っても、笑わないしねー」


レオとユーリの言葉に、私は思い出していく。



―ジル「あなたの耳は、嘘を見抜くカギですね」―

―ジル「すぐにわかります。感じているのか、どうか……」―



(確かに、ジルには嘘は通用しないみたい)


顔を赤く染めると、レオがにやりと笑みを浮かべた。


レオ「ねえ、○○ちゃん。ジルに嘘、ついてみたくない?」


「……え?」







そしてレオとユーリが部屋を去ると、私はベッドに横になっていた。



―ユーリ「じゃあ、この絵本を使うっていうのはどうかな?」―


―レオ「いいね。じゃあ俺たちはジルを呼んで来るから、」―

―レオ「○○ちゃんは……」―



やがて耳に、静にドアが開く音が響いてくる。

その響きと共に、鼓動が高鳴っていくのがわかった。


ジル「○○……?」


眠る私の名前を呼び、ジルが髪飾りに触れる。

そして…―。


ジルが私の髪を撫で、顔を覗きこむ気配がする。


(でも、起きちゃだめなんだよね)


私は目を瞑り静かに息をつきながら、レオの言葉を思い出す。



―レオ「○○ちゃんは、ただ眠っていてね」―

―レオ「ジルには「○○ちゃんが目を覚まさない」って嘘ついてくるから」―



ジルの指先がゆっくりと、髪をすいていく。


ジル「○○、目を開けてください」


「…………」


ジルの言葉にも反応を返さず、だまっていると…。


ジル「…………」


ベッドが軋み、私の枕元がわずかに沈む。


(え……?)


何が起こったのかもわからずにいると、唇に柔らかな感触が触れた。


「……っ」


触れるだけのキスが離れると、ジルの親指が私の下唇を開き、

再び包み込むようなキスを落とす。

そうして、油断していた私の舌を絡め取っていった。


「んぅ………」


吐息が混じり合い、次第に熱を帯びていく。

ようやく唇が離れると、私は静かにまぶたを開いていった。

すると目の前には、笑みを浮かべるジルの姿がある。


ジル「お目覚めですか?プリンセス」




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