美羽のにゃんにゃん物語

イケメン王宮×王子様のプロポーズSeason2
次世代を担う異種混合プリンセスブログ……かもしれない(・∀・)


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広い公爵邸の中で、私はルイの部屋を探し迷っていた。


(早く戻らなくちゃ、ルイに心配をかけちゃうな……)


窓の外の景色を確認しながら、私は慎重に廊下を進んでいく。


「……あれ」


すると不意に角の向こうから、小さな話し声が聞こえることに気がついた。


(メイドさんたち、かな……)


思わず足を止めると、会話が耳に届いてしまう。


メイド「あの方なら、ルイ様を変えてくださるかも……」


(え……ルイ?)


ルイと言う名前に、私の鼓動がドキリと反応した。


(もしかして……)


思わず身体が、前の方へと向かっていくと…。


「……っ」


突然に後ろから腰元を引き寄せられ、私は驚き振り返る。


ルイ「…………」


するとそこには、視線を上げたままのルイの姿があった。


「ル……っ…」


声をあげそうになり慌てて黙ると、気づいたルイが目を細める。

そしてゆっくりと、唇に人差し指をあてた。




やがてメイドさんたちの気配が離れると、

ルイがようやく私の腰から手を離す。


「ごめんなさい、ルイ。迷ってしまって……」


するとルイが軽く首を傾げ、ふっと唇に笑みを浮かべた。


(え……?)


ルイ「……だと思った」


「……っ」


そしてそのまま、ルイが私の前へと出る。


ルイ「送る」


「……あ」


廊下を吹きぬける風が、春の温かさを含んでいた。

ルイの後ろを不自然ではないほどに離れて歩きながら、

私はその背中を、そっと見上げる。


(ルイはいつでも、私のことを心配してくれる)

(私にも、ルイのことを心配させてもらえないかな……)




やがて部屋の前に着くと、そのまま去ろうとするルイを引きとめた。


「ねえ、ルイ。お屋敷の人たちとは……仲良くなれないのかな」


ルイ「…………」


するとわずかに振り返ったルイが、長いまつ毛を伏せる。

その頬に、小さな影が落ちていた。


ルイ「……○○は、○○のことだけ考えていて」


それだけを告げルイが去ると、私は胸の前でぐっと手を握る。


(そんなこと出来ないよ、ルイ……)




そして部屋に戻ると、私は小さなため息をついた。


(余計なお世話だとは思う。だけど……)

(明日まででも、出来ることはきっとあるよね)







そして、お昼も過ぎた頃…―。

私は部屋でメイドさんたちにお茶を用意してもらっていた。


(今しか、ないよね)


私は一度息を呑み、メイドさんの顔を見上げて尋ねる。


「あの、ルイ様をどう思いますか……」


メイド「はい……?」


私の問い掛けに、メイドさんがわずかに驚いた声をあげた。


(あ。この声は……)



―メイド「あの方なら、ルイ様を変えてくださるかも……」―



それは、廊下で聞いた声と同じだった。


メイド「ルイ様は……」


メイドさんが視線を伏せ、低い声で話してくれる。


メイド「我々には、一度も笑顔を見せてくださったことはございません」


「え……」


メイドさんの言葉に、私は微かに目を見開いた。


(そうだったんだ……)


メイド「…………」


やがて小さく頭を下げると、メイドさんは部屋を出ていってしまう。

ドアが閉まると、私は淹れてもらったばかりのカップに口をつけた。


「美味しい……」


(……このお屋敷の人たちにも、ルイの笑顔を見せてあげたいな)


するとメイドさんとすれ違うように、ルイが部屋に現れた。


ルイ「……声が聞こえたけど…何、話してたの?」


「…………」


眉を寄せメイドさんの後ろ姿を見送るルイに、私は言う。


「何も……」


視線を背けると、鼓動がやけに耳につく。

(嘘、ついちゃった……)


ルイ「…………」


向けられるルイの視線には、答えることが出来なかった。







晩餐会の前に時間をもらった私は、

公爵邸の近くにある、花の咲く丘を訪れていた。


(ずっと、窓から見えていたんだよね)


私はしゃがみこむと、大事に花を摘んでいく。


(私に、出来ることは……)


そうして花をつんでいると、不意に手首に目を落とす。


(そういえば、あの時も)







ルイ「その花、どうしたの……?」


ある日の昼下がり、

部屋に顔を出したルイが、テーブルの上に置かれた花に気づき尋ねる。


「今度子どもたちに、お花のブレスレットの作り方を教えてあげようと思って」


(でも……)


私はなかなか形にならない花たちに、苦戦していた。


(困ったな。小さな頃はよく作っていたはずなのに)


ルイ「…………」


すると近づいてきたルイが、私の手つきをじっと見おろす。

そうして黙ったまま花を手に取ると、編みこみ始めた。


「え、ルイ……?」


ルイが器用に編み込んだ花は、すぐに可愛いブレスレットになった。


「作り方を知っていたの?」


ルイ「知らないよ」

ルイ「今、○○が作るのを見た」


(すごい……ルイって、本当に頭がいいんだな)


感心しながらブレスレットを眺めていると、ルイが私の後ろに回る。

そうして私の背中から手を伸ばすと、両手を取った。


ルイ「たぶん、ここが違う」


「……っ」


ルイの手が、私の指先を導いていく。

その仕草と耳元にかかる息に、私の顔はかあっと赤らんでしまっていた。


(ルイは教えてくれているだけなのに……)


やがて私の反応に気づいたルイが、くすっと笑みをこぼす。


ルイ「分かりやすいね……可愛い///」







私の手首には、花をあしらったブレスレットがあった。


(あの時の、花を思い出して買ったブレスレット……)


ルイの笑顔を思い出し、私はしゃがみこんだままぎゅっと目を閉じる。


「…………」


(あの時みたいに、ルイに笑ってほしいから)


私は目を開くと、再び花を摘み始めた。




そうして、しばらく経った頃…―。

私は持ってきたカゴの中に、積み終えた花を入れる。


(うん。このくらいあれば大丈夫だよね)


顔を上げ、今は少し遠く見える公爵邸を見つめる。

夕暮れ前の光を浴びた建物は、

どこか儚くキラキラと輝いて見える。


「……ルイみたい」


ぽつりと呟いた、その時…―。


???「……○○」


後ろから、名前を呼ばれた…。




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