一塁でDeNAベンチに向かって叫んだ【拡大】
怒って、打って、笑って-。どんな感情も目一杯に表現するから、この男は楽しい、頼もしい。一回。西岡の憤りから、歴史的勝利への幕が開いた。
第1打席。DeNA先発の高崎がフルカウントから投じた6球目は、真ん中低めの真っすぐ。ストライク判定に首をかしげ、名幸一明球審に疑問をぶつけた。その後の打席のために、どうしても必要な確認作業だった。が、突然、相手ベンチから“いちゃもん”が飛んできた。
「○▲×!!」
声の主は、DeNA友利投手コーチ。自軍ベンチに戻りかけていた背番号7の耳がピクン。反応した。
「なにっ!?」
その後の激しい“舌戦”は、観衆の声にかき消されたが、怒り収まらぬ様子で、ベンチへと引き揚げた。「現場で起きたことなんで…」と、西岡は言及を避けたが、最も近い位置でやり取りを聞いた名幸球審は「ストライク判定に文句を言うな、ということだったんでしょう」と明かした。
行き場のない怒りを、打棒にぶつけた。1点を先制し、迎えた二回二死二、三塁での第2打席。鮮やかに右前へと弾き返す適時打。6戦連続となる安打で追加点を奪い、塁上でDeNAベンチを見ながら大声をあげ、喜びを爆発させた。
「絶対に打ってやろうと、この打席では燃えていた。まぁ、常に燃えてますけどね」